ロシア、NATOと米国との欧州安全保障合意案を発表
ロシア外務省ウェブサイトに合意案が掲載された。
米国との合意案の第4条には、米国がNATOの更なる東方拡大を排除すること、過去にソ連構成国だった国家をNATOに受け入れることを断念することを義務として受け入れることが提案されている。
また第4条には、米国に対して、旧ソ連構成国であり、NATO加盟国ではない国の領土に軍事基地を創設しないこと、これらの国のインフラを軍事活動に利用しないこと、それらの国と2国間での軍事協力を発展させないことが要求されている。
その他の条項には、ロシアと米国の領土に到達し得る地点への中距離・短距離ミサイルの展開をしないこと、相手の領土の対象物を攻撃し得る距離の地域における軍艦・重爆撃機の展開を控えることなどが提案されている。
NATOとの間の合意案には、双方は、互いを敵としてみなさないこと(第3条)、1997年5月27日時点でNATO加盟国だった国々は、自国軍と兵器をその他のNATO加盟国に配備しないこと(第4条)、互いの領土に到達し得る地点への中距離・短距離ミサイルの展開をしないこと(第5条)、ウクライナやその他の国の非加盟含む、NATOの不拡大(第6条)、NATO加盟国がウクライナやその他の東欧諸国、コーカサス地方、中央アジアの国での一切の軍事活動を断念すること(第7条)、などが提案されている。
これに先立ち、10日、ロシア外務省は、ウクライナとジョージアが将来NATOに加盟するとする2008年のNATOの決定を無効化することを要求する声明を発出していた。
この声明に対して、ストルテンベルグNATO事務総長は、欧州の全ての国家が持つ、自らの道を決める権利について、譲歩することはない、とロシアの要求を拒否する姿勢を明確にしている。
ジョージア外務省は11日、同国はロシアによる北大西洋条約機構(NATO)拡大要求は受け入れられないと発表している。
ゼレンシキー大統領は、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)へ加盟しないことの保証をロシア連邦が求めていることに関して、ロシアが過去に自らが約束した保証を破っていることを喚起している。
バイデン米大統領は9日、ゼレンシキー・ウクライナ大統領との電話会談の際、ウクライナに関する全ての決定はウクライナ抜きで採択されることはないとする原則を確認している。
16日、北大西洋理事会(NAC)がウクライナ国内(被占領地)とその周辺の情勢に関する声明を発出し、同声明において、NATO加盟国は、全ての国が外部からの干渉を受けずに自らの将来を決める権利を支持するとし、「NATOのウクライナとの関係は、ウクライナとNATOの30の加盟国だけの問題である」と改めて表明している。