ロシアの要求受け入れは米国やNATOにとって過去最大の屈辱となる=クレーバ宇外相
クレーバ氏がRBCウクライナ通信へのインタビュー時に発言した。
クレーバ氏は、「私は、米国なり、NATOなりがロシアによる東方不拡大や、中欧からの退却といった要求に同意するとは思っていない。そこには、NATO不拡大の要求だけでなく、NATO加盟国へのNATOの軍事プレゼンス排除の要求もあるのだ。私はそれ(編集注:米国やNATOの同意)を信じない。なぜなら、そのような要求を受け入れることはどんな形であれ、米国とNATOにとって同機構創設以降の最大の屈辱となるからだ」と発言した。
さらに同氏は、現在ロシアの振る舞いに関連して、外交には狂人戦略(madman strategy)なる用語があると指摘した。同氏は、その戦略は、自身があらゆる予測不可能な行動をする狂った存在であるかのように相手に見せながら、その相手に特に妥協的なアプローチを取らせようとするものだと説明した。加えて、クレーバ氏は、キューバ危機は正にフルシチョフのそのような戦略から生じたものであると指摘し、「私たちは、その危機がどのような形で終わったかを知っている」とコメントした。
他方で、同氏は、「しかし、私は、ロシアの動機について深く詮索することはしない。私たちには、彼らの脳に入り込んで詳細な行動計画を確かな形で見ることは不可能だからだ。彼らには計画がない可能性も十分にあり得る。これをやってみて、うまく行くかどうか見てみよう、といった混沌とした行動である可能性がある。彼らには、すでに『悪漢』としての評判がついており、その計画で彼らが失うものは特に何もない。それは、テストであり、西側への挑発であり、彼らのゲームなのだ」と指摘した。
同時に同氏は、ウクライナはロシアの動機を考える時間を減らし、その分、自らの行動とパートナー国との行動調整に力を割いていると強調した。
これに先立ち、ロシア連邦外務省は17日、ロシアと米国、及び、ロシアと北大西洋条約機構(NATO)の間の合意文書案を公開していた。同案には、ウクライナのNATO非加盟要求が含まれている。
ウクライナ外務省は、ロシア連邦外務省の要求に関して、ロシアがエスカレーションを止め、自らが始めたウクライナ東部の国家間紛争を止めることが、大陸における最善の安全の保証となると指摘している。
また、ドイツ政府は、ロシア連邦による安全保障要求につき、独仏宇露4国からなるロシア・ウクライナ紛争解決協議フォーマット「ノルマンディ・フォーマット」にて協議することも可能だとの考えを示している。
20日、サキ米大統領報道官は、NATOとウクライナの関係は、ウクライナとNATOの30の同盟国のみが定めるべきものだと改めてコメントしている。