欧州委員会、ウクライナへのEU加盟候補国地位付与を勧告
フォンデアライエン欧州委員会委員長は、記者会見時に欧州委員会会合の結果として「欧州委員会の見解」を公表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
フォンデアライエン氏は、ツイッター・アカウントでも、「私たちは、ウクライナに対して、同国が複数の重要改革を行っていくとの理解の下で、候補国地位の付与を勧告する」と伝えた。
さらに同氏は、ウクライナは欧州の価値と基準に従って生きていくことへのコミットメントを明確に示したと指摘した。
また同氏は、(全面的)戦争の前から、EUへの道を進み始めていたと指摘し、EUのルール、規範、基準の約70%をすでに履行してきたと指摘した。
同時に同氏は、「しかし、重要な仕事がまだ行われねばならない。法の支配、オリガルヒ(大富豪)問題、汚職対策、基本的権利だ」として今後の課題を指摘した。
その上で同氏は、「ウクライナの人々は、欧州展望のために死ぬ覚悟がある。私たちは、彼らが欧州の夢を私たちと生きて欲しいと思っている」と強調した。
Ukrainians are ready to die for the European perspective.
— Ursula von der Leyen (@vonderleyen) June 17, 2022
We want them to live with us the European dream. pic.twitter.com/3SPRqkgK7l
なお、欧州委員会の見解は、ウクライナが提出したEU加盟申請と、ウクライナの「コペンハーゲン基準」の履行準備とEU法体系「アキ・コミュノテール」への合致程度を評価する2つの質問表へのウクライナの回答をもとに作られたもの。
その他、フォンデアライエン氏は、モルドバにもEU加盟候補国地位を付与するよう勧告したが、ジョージアに対しては、欧州展望の付与は与えるものの、候補国地位付与の前に複数の条件の評価を行うことを勧告した。
これに先立ち、4月20日、ミシェル欧州理事会議長がキーウを訪問した際、欧州委員会は6月末までにウクライナへのEU加盟候補国地位付与に関する自らの最初の結論を発表すると発言していた。今後、6月23、24日に、ブリュッセルにて、欧州理事会会合が開催され、その際に、ウクライナのEU加盟申請が審議され、同国に加盟候補国地位を付与するか否かの決定が採択されることになっている。
なお、6月16日、フランス、ドイツ、イタリア、ルーマニアの4国首脳は、キーウ訪問時に、ウクライナへのEU加盟候補国地位の付与を支持していると表明していた。
ゼレンシキー大統領は2022年2月28日に、ウクライナのEU加盟申請に署名を行っている。