トチツィキー宇文化相、同省の課題は「ウクライナ・アイデンティティを伝えること」
トチツィキー文化・戦略的コミュニケーション相がLB.uaとEFIグループのプロジェクト「新しい国」の一環で開催されたディスカッション「私たちの勝利の主要な手段の1つとしてのウクライナ文化」出席の際に発言した。
トチツィキー氏は、「ウクライナの文化とアイデンティティは、脅威的だ。領土だけでなく、何よりもまず、私たちのアイデンティティが彼ら(編集注:ロシア)の侵略の対象となったのだ。プーチンは、蜃気楼と自ら口にした歴史構築のどこかで、『誰かがウクライナを、ウクライナ・アイデンティティを作り出した』と思っていた。実際には、ロシア軍は、ウクライナが実在の現象であり、欧州文化の一部であることを確信するようになったのだ」と発言した。
同氏はまた、同省の課題の1つとして、それは偽情報を発信することではなく、戦略的コミュニケーションを行うことだと述べ、「プーチンの話していることに追いつこうとするのではなく、メッセージを形成しなければならない」と発言した。
さらに同氏は、同省の活動焦点の1つは、EUに接近することだとも述べた。
なお、1日、ウクライナのトチツィキー新文化戦略的コミュニケーション相は1日、松田邦紀駐ウクライナ日本大使と北岡伸一国際協力機構(JICA)前理事長(現同特別顧問)と会談し、国際レベルでの戦略的コミュニケーションの発展と日本におけるウクライナ文化の振興について協議していた。
トチツィキー氏は、9月5日に最高会議により文化・戦略的コミュニケーションに任命された職業外交官。2016年から2021年までは駐欧州連合(EU)ウクライナ代表兼駐ベルギー・ウクライナ大使を、2021年から2024年まで外務次官、2024年4月以降は大統領府副長官(外政担当)を務めてきた人物。
トチツィキー氏の文化・戦略的コミュニケーション相への任命に伴い、同省は「文化・情報政策省」から「文化・戦略的コミュニケーション省」へと改名している。