ウクライナ、シリアとの外交関係断絶へ 露武装集団の「国家」承認受け

ウクライナ、シリアとの外交関係断絶へ 露武装集団の「国家」承認受け

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ウクライナのゼレンシキー大統領は29日、シリア政権によるウクライナ東部ドンバス地方のロシア武装集団を「国家」としての承認は、同国との関係の断絶と制裁強化をもたらすと発言した。

ゼレンシキー大統領が29日夜の動画メッセージの際に発言した

ゼレンシキー氏は、「ロシアは結局、ドンバスの占領機構をあたかも国家だと承認するかのようなメッセージをシリアから絞り出した。それは無意味な話だ。そして、その場合は、ウクライナとシリアの関係は今後一切なくなり、シリアへの制裁圧力は反対にさらに強まる」と発言した。

30日、ウクライナ外務省は、本件につき、シリア政権を強く非難する声明を発出した

声明には、「ウクライナ外務省は、シリア・アラブ共和国による、ドネツィク・ルハンシク両州一時的被占領地のいわゆる『独立』を認める決定を強く非難する」と書かれている。

外務省はまた、同決定を非友好的行為であり、ウクライナ国内法、国連憲章、国際法の基本的規範と原則への著しい侵害とみなすと指摘した。

そして、「シリア政権が、クレムリンのキュレーターの注文を受けて、ドネツィク・ルハンシク両州のロシア占領政権に偽の主体性を与えようとしていることに、疑いはない」と伝えた。

外務省は、この非友好的行動を受けて、ウクライナは1963年付領事関係に関するウィーン条約の第2条に従い、シリアとの間で、領事関係を断絶しない外交関係の断絶を発表すると伝えた。また外務省は、シリアに関する禁輸の適用手続きや、その他のシリア個人・法人を対象とする制裁発動の手続きを始めると伝えた。

クレーバ外相は、「私たちの立場は明確だ。私たちは、ウクライナの主権と領土一体性を弱らせる試みにはいかなるものであれ、最大限強固に対応し、あらゆるアクセス可能な手段で、とりわけ外交的前線で、国益を防衛する」とコメントした。

同時に、外務省は、アサド政権のシリア国民に対する犯罪を受けて、ウクライナ側はすでに2016年時点で、在ダマスカス・ウクライナ大使館を閉鎖しており、2018年には在キーウ・シリア大使館の閉鎖も命じていると伝えた。シリア在住のウクライナ国民の保護は、現在在レバノン・ウクライナ大使館が行なっているとのこと。

これに先立ち、29日、シリア政府が「国家」を自称しているロシア武装集団「LPR」「DPR」の独立と主権を承認したことが報じられていた。

写真:大統領府


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