クリミアの人権状況は過去8か月間で著しく悪化=人権保護活動家

クリミアの人権状況は過去8か月間で著しく悪化=人権保護活動家

ウクルインフォルム
ウクライナの人権保護団体「ズミナ」の理事長を務めるペチョンチク氏は24日、被占領下ウクライナ領クリミアでは、ロシアの対ウクライナ全面的侵攻開始以降、人権状況が劇的に悪化したととし、住民の強制失踪の事例を紹介した。

ペチョンチク氏がクロアチア・ザグレブで開催されている国際クリミア・プラットフォーム第1回議会サミットのパネルディスカッションの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ペチョンチク氏は、「過去8か月間ずっとクリミアは少し日陰に置かれていた。なぜなら、ウクライナの新たに占領された州では、ロシア軍が大量の蛮行を働き、はるかに凄惨な出来事が起きているからだ。しかし、それは、クリミアの状況が少なくとも安定していることは意味しない。状況はこの侵攻開始以降の8か月間劇的に悪化した。私たちは、何より人権保護活動家として、過去数年ぶりにクリミアにて住民の強制失踪の実践が戻ってきたことを確認している。それは過去数年は確認されていなかった」と伝えた。

そして同氏は、クリミアの占領者たちは、住民に弁護士との接触したり親族へと報告したりする権利を認めないままに違法に拘束していると指摘した。

同氏は、そのような強制失踪の実践の被害に遭った住民として、ヤロスラウ・ジュク、イリーナ・ホロブツォヴァ、セルヒー・ツィヒパ、イヴァン・コズロウ、ミコラ・ペトロウシキー、マルヤノ・ハルシヤ・カラタユド、ルスラン・アブドゥラフマノウ、アッパズ・クルタメトの名前を挙げた上で、他方で、強制失踪の被害にあい、被占領下クリミアで拘束されている人の実際の数は誰も知らないと指摘した。

その他、同氏は、クリミアでは独立した弁護士や記者への圧力や迫害の傾向が著しく強まっていると伝え、今年5月には4人のクリミア・タタール人の弁護士(エデム・セメドリャイェフ、ナジム・シェイフマムベトフ、アイデル・アザマトフ、エミネ・アヴァミリェヴァ)が拘束され、その後罰金刑や禁固刑を受けたと報告した。

さらに同氏は、他にも3名のクリミアの弁護士が弁護士としての地位やライセンス、活動継続の機会を剥奪されたと伝えた。

同氏は、「彼らは、クリミアにて何年にもわたり政治囚の弁護をしていた者たちだ。(中略)そのため、今後さらに今後クリミアの私たちの国民を弁護できる新しい弁護士を見つけることがより困難となっていく」と説明した。

加えて同氏は、クリミアにおける記者への迫害事例として、「現時点で少なくとも14名のプロフェッショナルな市民記者が政治囚として拘束されている」と伝え、とりわけその内の2名の市民ネットワーク「クリミアの連帯」で活動していたイリーナ・ダニロヴィチ氏とヴィレン・テメルヤノフ氏は、2月24日以降に投獄された者だと説明した。

その上で、「現時点で、150人以上のウクライナ国民が政治囚となっており、被占領下クリミアにいるか、ロシア連邦領内の拘束の場所へと移送されている」と報告した。

また同氏は、人権保護活動家たちは、長年にわたり、被占領下クリミアの人権を保護するためにあらゆる可能な法的メカニズムを利用してきたと強調しつつ、「しかし、私たちにとっては、クリミア半島の脱占領だけが、そこに権利と人権を取り戻すことを可能とすることはもうずっと前から明らかである。そのため、私たちが政治囚を解放し、被占領下クリミアに人権を回復するためには、この50の国々をまとめる『クリミア・プラットフォーム』のフォーラムが最も効果的な手段なのだ」と発言した。

なお、10月24、25日、クロアチアのザグレフにて、第1回となるクリミア・プラットフォーム議会サミットが開催されている。同行事には、50以上の国・機関の代表団が招待されている。同行事の様子は、オンラインで視聴可能。


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