G7外相、ロシアに対して大量破壊兵器使用の場合の「深刻な結果」を警告
日本外務省がG7外相声明の仮訳を公開した。
外相たちは、「ロシアによる無責任な核のレトリックは受け入れられない。ロシアによる化学兵器、生物兵器、核兵器のいかなる使用も、深刻な結果を被る」と警告し、加えて「我々はまた、ウクライナが放射性物質を含む『汚い爆弾』を準備しているとのロシアの虚偽の主張を拒否する」と発表した。その際、外相たちは、国際原子力機関(IAEA)の査察がロシアの主張に根拠がないことを確認したとし、またウクライナの透明性を称賛した。
G7外相はまた、ロシアによるウクライナのザポリッジャ原子力発電所の継続する占拠・軍事化、ウクライナ人職員の拉致や虐待、並びに同発電所の運用の意図的な不安定化を非難した。加えて、IAEAによる原子力安全・核安全保護圏の設置の取り組みへの支持を表明した。
さらに外相たちは、対露制裁につき、「モスクワによる侵略戦争に軍事的支援を提供するいかなる国、個人及び団体に対しても経済的コストを課し続ける」と強調した。
その他外相たちは、対ウクライナ支援については「ウクライナが、自国民の苦しみを緩和し、国際的に認められた国境内における主権及び領土一体性を堅持するために必要な財政的、人道的、防衛、政治的、技術的、及び法的支援を引き続き提供するとの、揺るぎないコミットメントを改めて表明」した。
また、ロシアの侵略に直面するウクライナの人々の勇敢さ・強靭さに敬意を評するとともに、越冬に向けたニーズを満たすよう支援すると約束した。
外相たちは、ゼレンスキー大統領がウクライナの領土一体性、主権の尊重及び侵略から自国を守るための正当な権利に基づく公正な平和の準備を整えていることを歓迎すると同時に、「ロシアが戦争をエスカレートし続け脅迫及び偽情報を継続する中、ロシアによる交渉の呼びかけは信用できない」と断じた。
ロシアの侵略戦争によって引き起こされた食糧危機とエネルギー危機に関して、G7外相たちは、ロシアがエネルギー及び食料輸出を、地政学上の道具として利用しようとしているとし、同国の試みを非難した。
「我々は、世界の食料価格を低減した黒海穀物イニシアティブ(BSGI)の期間延長を求める国連事務総長の呼びかけを強く支持する。我々は、ロシアに対して、国連事務総長による呼びかけを聞き入れるよう強く求める」と強調した。
さらに外相たちは、食料安全保障のためのグローバル・アライアンス(GAFS)やEU主導の連帯レーンを含む他の極めて重要な国際的なイニシアティブを推進していると伝え、最も脆弱な人々に肥料を届けるための我々の作業を加速することに加え、より持続可能で強靱かつ包摂的な食料システムを世界的に促進することにコミットし、G20に対し、これらの取組を支援するよう要請した。
その他、G7外相は、「産油国による石油生産の増加を引き続き奨励する」とした他、同時に、今後数週間のうちに、海上輸送されるロシア産石油に対する上限価格設定の実施を完了すると伝えた。