ゼレンシキー宇大統領、ロシアと繋がりのある宗教団体の対策へ向けた諸方策を指示
ゼレンシキー宇大統領が同日夜の動画メッセージで報告した。
ゼレンシキー氏は、「今日、NSDC会合が開かれた。私たちは会合にて、ウクライナにおける個別宗教集団と侵略国との繋がりの多くの事実について審議した。残念ながら、ロシアのテロと大規模戦争によっても、悪の誘惑を克服すべきということにつき、複数の(宗教)活動家は納得していない。そのため、侵略国に依存するあらゆる(宗教)活動家が、ウクライナ人の印象操作をする機会や、ウクライナを内側から弱めたりする機会を得られないようにする条件を作り出さねばならない」と発言した。
その上で同氏は、第1に、NSDCは閣僚会議(内閣)に対して、最高会議(国会)に、ウクライナにてロシアにある影響力の中心と結びついている宗教団体の活動を不可能とする法案を提出するよう指示したと伝えた。
第2に、国家民族政策・信仰の自由庁に対して、ウクライナ正教会(編集注:2つあるウクライナ正教会の内、モスクワ総主教庁系を名乗っていた方)の運営憲章におけるモスクワ総主教庁(編集注:ロシア正教会)との教会法上の繋がりの有無について宗教学的専門調査の実施を保障するよう指示したという。ゼレンシキー氏は、必要であれば法律が定める方策を取らねばならないとも発言した。
同氏は、第3に、国立キーウ・ペチェルシク歴史文化保護区敷地内にある資産を宗教団体が使用する際の条件の法的根拠の有無とその遵守の確認を保障するよう支持も出したと伝えた(編集注:現在、キーウ・ペチェルシク大修道院はウクライナ正教会(旧モスクワ聖庁系)が利用している)。
第4に、同氏は、安全保障分野の問題を扱う全ての機関に対して、ウクライナの宗教界におけるロシアの特殊機関の工作活動の摘発と対策を活発化するよう指示が出されたと伝え、制裁発動も行われるとし、対象者の名前がもうすぐ公開されると発言した。
さらに第5に、同氏は、国家民族政策・信仰の自由庁の地位の向上と権限の強化が必要だとし、同機関の改革が行われ、それにより、ウクライナ人と国家の権利と合法的利益を真に防衛できるようになると発言した。
ゼレンシキー氏は、これらの決定及びその他の決定により、ウクライナの宗教面での独立が保証すると強調した。
なお、ウクライナ保安庁(SBU)は最近、ウクライナ各地のウクライナ正教会(モスクワ総主教庁系を名乗っていた方)の主教区で家宅捜索を実施しており、多くのケースで関係者によるロシア国籍、親露的書籍、多額の現金などの所有を摘発している。
1日には、SBUは、キーウ・ペチェルシク大修道院の聖職者がロシア連邦のイデオロギーである「ロシアの世界(ルスキー・ミール)」を美化する典礼を組織した聖職者複数名に対して容疑を伝達している。