ウクライナ軍食費スキャンダル 最高会議議員、戦時下防衛調達の透明性高める法案作成へ
委員会会合後のザヴィトネヴィチ委員長のコメントが、最高会議ウェブサイトに掲載された。
ザヴィトネヴィチ氏は、「第一に、報道にあった、卵をはじめとする購入の話は、私たちが今日目にした契約書の数字とは一致しない。私たちは、情報空間に流れたものではなく、現本を目にして、分析した。加えて、私たちは、その文書を関連機関に分析のために提出した。第二に、もちろん、防衛分野に問題がないなどと言うことはない。委員会は、状況を常にモニターしており、責任者の話を聞き、国防省や法執行機関の同僚とともに問題対処をしている。そして、今日、会合には、国家汚職対策局(NABU)、保安庁(SBU)、国家捜査局の代表者が出席していた。とりわけ、本件において大切なことは、委員会会合が開催されるより前に、NABUが130億フリヴニャの食料供給調達の調査を開始していたことだ。すでに裁判前捜査が始まっており、本件の他の関係者も参加している。契約、価格、その他の分析が行われている。つまり、社会に提示された情報の全てが正しいわけではないということだ」と伝えた。
同時に同氏は、公開された情報を巡る状況を鑑みて、防衛調達法をはじめとして、緊急の法改正の必要が生じているとも述べ、「私たちは、その作業、法改正を行う。もしかしたら、その手続きの一部の公開するかもしれない。現在は、戒厳令終了から90日後に情報が公開されることになっている。今回の例は、現在民主的コントロールが重要だということを示しており、そのため防衛調達の一定の開示性を変えねばならない。どのようにそれを実現するかを決めていく」と強調した。
委員会会合では、軍へ食料を調達している企業の調査とコントロールを主導すべきとの意見につき協議が行われたという。
ザヴィネヴィチ氏は、「それは若い企業で、もしかしたら、大量の物流基盤を必要とし、特に戦時下の一定のリスクを予想するような重要な分野の要求にはあまり向いていないのかもしれない。私たちはそれを調べていく」と発言した。
また、政権幹部の汚職犯罪に特化して捜査を行うNABUの広報室は同日、NABU捜査官は、国防省の調達の調査を行っていると発表した。
発表には、「NABUと特別汚職対策検察(SAP)の把握している情報が、それがメディアに公開されるより前に、独自に刑事捜査の一環で分析されていることを報告する」と書かれている。
NABUはまた、その他に130億フリヴニャ以上の調達の調査を行っていると伝え、捜査は続いており、その他の詳細は捜査上の機密事項だと説明した。
その他、レズニコウ宇国防相は、同日の会合前に、フェイスブック・アカウントにて、軍への食料供給の汚職防止のためにこれまでに行ってきた方策を説明した。
同氏は、軍への食料調達は「大きな市場」であり、「1年と少し前まで、その市場は、実質的に独占されていた。私は、大臣(国防相)に任命されてから、食料サービスの脱独占化を行うということを公に約束した。私たちはチームと共に、それを昨年冬に行った。抵抗は凄まじかった。昨年、独占企業は、軍への食料供給を完全に止めると脅したが、うまくいかなかった」と書き込んだ。
同氏はさらに、独占を解消することができたことで、戦時下の複雑な中でも、軍への食料提供がうまく行っていると指摘し、「独占は看過できない。それが私の哲学だ。なぜなら、独占は、依存であり、脆弱性だからだ。最善の供給企業であろうと、緊急事態は起こり得る。あるいは、ビジネスに関して言えば、独占企業が敵に間接的に奪われたり、ブロックされたりすることもあり得る。そのため、防衛調達における独占は回避せねばならない」と指摘した。
その上で同氏は、現時点で国防省は、食料サービス提供を行う8社との契約を締結していると指摘した。同日、最高会議委員会に提示された契約は、この8社のものだという。
これに先立ち、ウクライナのニュースサイト「週の鏡」が、国防省が締結した軍人用の食料購入・食料提供サービスの契約価格が、市場の小売価格より2、3倍高いものとなっていると報じていた。特に、同記事では、「国防省は、卵1個を17フリヴニャで契約しているが、キーウ市の店での小売価格は現在約7フリヴニャだ」と例示していた。
国防省は、報道された軍人への食料サービス購入情報は、意図的な印象操作の兆候があり、読者を騙しているとコメントしていた。
これを受けて、レズニコウ国防相は、最高会議国家安全保障・国防・情報委員会のザヴィトネヴィチ委員長に対して、緊急で委員会会合を開き、捜査機関代表者を加えた上で、本件に関する情報の提出をさせて欲しいと要請していた。