ウクライナ元外相、マクロン仏大統領の「欧州戦略的自立」発言を批判
クリムキン氏がフェイスブック・アカウントでコメントした。
クリムキン氏は、マクロン仏大統領は自身のカリスマややりとりで、中国の立場、習国家主席個人の立場に影響を及せるという期待を抱いていたのだろうが、その期待はどうやら無駄に終わったとし、「なぜなら中国とはシステムだからだ」と指摘した。
同時にクリムキン氏は、「他方で、習氏は、どうやらマクロン氏の立場に影響力を行使できたようだ。彼は、台湾に関して、米国のものとも中国のものとも異なるという『均衡の取れた』立場の重要性につき話した。それから、マクロン氏は、また『欧州の戦略的自立』について再び話し始めたが、それは当然、中国にとっては非常に耳障りの良い話だ。なぜなら、北京は、集団的西側という対峙者を擁したくないからだ。彼らには、米国だけでも十分すぎるのだから」と発言した。
同文脈で同氏は、マクロン氏がかつて「北大西洋条約機構(NATO)は脳死状態にある」と発言したことを喚起した。同氏は、「私たちのロシア連邦との戦争は、皆にはっきりと、米国とNATOなしではどうにもならないことを示したのであり、私にとっては『脳死』というのは『欧州の自立』のことである。もちろん、患者の回復は試みることが可能だが、しかし、それが大西洋間連帯を犠牲にして行われては絶対にならない。この戦争にて、西側は、量子跳躍ができることを示したが、しかしそれは、戦略と意志の点で一体となっている時だけである。マクロン氏の中国訪問がその連帯を強化しなかったのは明白である。どう訪問は、フランスの特徴の顕示となったのだ」と指摘した。
さらに同氏は、マクロン氏がウクライナはおそらく中国外交の優先課題ではないと述べたことに注意を向け、「私は、彼らの訪問の目的の1つは、私たちを優先課題にすることであるべきだったと思う。もちろん、広い意味でだ」とコメントした。
これに先立ち、マクロン仏大統領は、3日間の中国訪問後に、欧州は台湾周辺の危機のエスカレーションに関心がなく、米国とも中国とも独立した戦略を追求すべきだと発言していた。