クリムキン元宇外相、ブラジル大統領の戦争仲介提案のウクライナにとっての危険を指摘
ウクルインフォルム
クリムキン元ウクライナ外相(2014〜2019年)は17日、ブラジルのルーラ大統領は非欧米諸国で人気があることから、同大統領がロシアの対ウクライナ戦争で仲介をしたいと提案していることは、ウクライナにとってかなり危ないと指摘した。
クリムキン元外相がラジオNV出演時に発言した。
クリムキン氏は、「ルーラ・ダ・シルヴァ氏は、有名な人物であり、非西側世界、特に多くの左派の間で支持されている。彼自身もまた左派だ。彼は多くの者にとって非常にカリスマ的であり、だから彼の個人的な仲介の立場は、実に危ない」と発言した。
さらに同氏は、ルーラ大統領が中国を訪問したことも「かなり危機的」だと形容し、中国がルーラ氏を仲介人として利用する可能性があると指摘した。同氏は、「彼らは今のところ、現実的結果を得る可能性、ましてや自分たちにとって有益な結果を得る可能性を目にしていない。しかし、中国にとっては、欧州の安全保障システムの未来の議論に介入することが重要なのだ。そして、それ(中国の介入)は当然、西側には全く必要のないことだ。よって、ルーラ氏は、非西側と西側の世界の間で独自の『架け橋』としての自分やブラジルの立場を利用することが可能な場面で、確かに行動しているわけだ」と発言した。
同時に同氏は、今のところはルーラ大統領が本件で成功するだけの前提条件は目にしていないとしつつ、「しかし、それであっても、彼は非西側世界にて、彼のことを、その仲介を率いることのできる賢明で権威のある政治家だと見る人々たちを集めていくだろう」と発言した。
これに先立ち、16日、ルーラ・ブラジル大統領は、中国やアラブ首長国連邦とともに、ロシアの対ウクライナ戦争において平和達成のための仲介を行いたいと発言していた。
また、4月上旬には、ルーラ氏は、ウクライナに対して、平和達成のためにクリミアを断念することも提案していた。