G7外相、コミュニケ発出 対露制裁の強化と対ウクライナ支援の継続を確認
日本外務省が公式ウェブサイトにG7外相コミュニケの和文仮訳を公開した。
コミュニケには、戦争犯罪については「民間人及び重要な民間インフラに対するロシアの攻撃など、戦争犯罪及びその他の残虐行為に対する不処罰は認められてはならない」とあり、「国際的なメカニズム、特に国際刑事裁判所の取組を支援することによるものを含め、責任を有する者の責任を国際法と整合的な形で追及するとの我々のコミットメント」を表明した。また、侵略犯罪に関しては、「我々は、ウクライナに対する侵略犯罪を訴追するために、ウクライナの司法制度内に置かれる国際化された法廷の創設を追求することを支持する」と述べている。
制裁と支援については、「我々は引き続き、(中略)ロシアに対する制裁を強化し、協調及び完全に実施し、並びに我々の制裁措置を回避し、損なおうとするロシア及び第三者の試みに対抗することにコミットしている」とあり、また「我々は本日、必要とされる限りウクライナを支援する」と書かれている。
また、第三者によるロシアの戦争支援問題に関しては、「我々は、第三者に対してロシアの戦争への支援を停止するよう求め、そうしなければ深刻なコストに直面することとなることを改めて表明する。我々は、ロシアに対して武器を供給している第三者を防止し、対応するための連携を強化し、ロシアのウクライナに対する戦争を物的に支援する者に対し、引き続き行動をとる」と表明した。
その他、同コミュニケでは、インド太平洋、北朝鮮、ミャンマー、イラン、自由で開かれた国際秩序、軍縮・不拡散といったグローバルな重要問題についてもG7としての立場表明が行われている。その中でも、特に台湾周辺での軍事行動を活発化させる中国、ロシアの対ウクライナ侵略戦争、ロシアによる核脅迫という2つの問題に特別な注意が割かれている。
G7外相は、台湾海峡の平和と安定は「我国際社会の安全と繁栄に不可欠な要素」であるとし、「両岸問題の平和的解決を促す」と表明している。
外相たちはまた、コミュニケにて、中国に対して、「威嚇、威圧、脅迫、又は武力の行使を控える」よう呼びかけ、さらに「東シナ海及び南シナ海における状況について深刻に懸念」し、また南シナ海における中国の軍事化の活動にも反対を表明した。