ゼレンシキー宇大統領、ロシアの侵略犯罪を扱う特別法廷の設置の必要性強調

ゼレンシキー宇大統領、ロシアの侵略犯罪を扱う特別法廷の設置の必要性強調

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ウクライナのゼレンシキー大統領は9日、ロシアの対ウクライナ侵略犯罪を扱う特別法廷の設置を目指す「コアグループ」の国々の首脳とオンライン会合を行った際に、ロシアへの公正な司法が国際社会の団結を証明すべきであり、そのためには特別法廷の設置が必要だと主張した。

ゼレンシキー大統領がキーウを訪れたフォンデアライエン欧州委員長とともに同首脳会談に出席した。大統領府広報室がゼレンシキー氏の演説全文を公開した

ゼレンシキー氏は、「ニュルンベルクで行われたのと同じように、私たちの司法が国際社会の正義に関する団結を証明せねばならない。私たちは国際刑事裁判所(ICC)の活動を完全に支持しているが、残念ながら、ICCには、侵略犯罪に関しては管轄権がない。正にそのために、世界の司法制度を補完する法廷が必要なのだ」と発言した。

同氏は、特別法廷設置を目指す「コアグループ」にはすでに37か国が参加していると伝え、ウクライナは参加国の数を増やすために常に活動していると発言した。

また同氏は、第二次世界大戦時の犯罪を裁いたニュルンベルク裁判所の設置に関しても、当初は4か国しか合意していなかったが、その後同裁判所設置を目指す国家連合は24か国となったことを喚起した。

同氏は、「私たちはすでにそれよりはるかに多いし、入っているのは欧州の国だけではない。私たちは、共通の作業によって、正義の希求がグローバルなものであることを証明している」と発言した。

同氏はまた、もう今年の夏にはハーグにてロシア侵略犯罪の刑事追訴を扱う国際センターが作業を始めると伝え、それは法廷に向けた資料作りの実質的な一歩となると発言した。

そして同氏は、「このように、私たちは前に進んでいる。一歩ずつ進んでいる」と指摘した。

さらに同氏は、現在、諸国は、主要な目的である「正義」の達成のために、ウクライナに対するロシアの侵略犯罪を扱う特別法廷のモデルがどのようなものであるべきかについて議論することは可能だと述べ、また法廷の活動開始へと繋がる行動の順序についても話すことが可能だとしつつ、ただし、いずれにせよ、それは法廷についての話であるべきだと指摘した。

同氏は、侵略者の犯罪の責任追及は不可避でなければならない、「侵略犯罪」の責任こそが問われねばならないとの点で諸国は明確に一致していると強調した。

また同氏は、「1945年の5月8日にナチス侵略の降伏があった後の5月9日、世界はもう、侵略に関する法正義へと活発に進んでいた。今年の5月9日、私たちの同様の動きはより活発で、より数が多い。私はそのことにつき、あなた方皆に感謝をしたい! ロシアの対ウクライナ侵略犯罪の特別法廷の活動開始を近づけてくれている一人一人に感謝している!」と発言した。

また大統領府は、同日、コアグループが「ウクライナに対する侵略犯罪の法廷設置努力に関する共同声明」を発出したと発表した

これに先立ち、2022年9月、ゼレンシキー大統領は、ロシア首脳陣による対ウクライナ侵略犯罪の責任追及を行う特別法廷設置問題を扱う、イェルマーク大統領府長官を筆頭とする作業グループを設置していた。特別法廷の設置は、欧州評議会議員総会、欧州議会、北大西洋条約機構(NATO)議員総会、欧州安全保障協力機構(OSCE)議員総会、複数の国家が支持を表明している。

同時に、欧米の報道機関が、西側では、ロシアの責任追及のために、ウクライナの司法と国際法を基盤にした司法プロセスを統合させる「ハイブリッド法廷」案が検討されていると伝えていた。

ウクライナは、このハイブリッド法廷案ではなく、国際法廷設置案を支持しており、この国際特別法廷こそが世界の名の下にロシア首脳陣の侵略犯罪を裁くことを可能にするものだと訴えている。

写真:大統領府


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