日本含む43か国、露侵略のウクライナの損害登録機関の設置文書に署名
ウクライナのムードラ司法相次官がフェイスブック・アカウントで報告した。
ムードラ次官は、「レイキャビクでの欧州評議会の首脳・首相会談にて、43か国とEUがロシア連邦の侵略による損害登録に関する合意文書に署名した。(中略)これは、大勝利であり、大きな達成だ! これは欧州、世界の国々によるロシアの責任追及と必然的補償における共通行動の最初の最大の結果である」と伝えた。
同氏は、同合意文書に署名したのは、「参加」34か国(オーストリア、ベルギー、クロアチア、キプロス、チェコ、デンマーク、エストニア、フィンランド、フランス、ジョージア、ドイツ、ギリシャ、アイスランド、アイルランド、イタリア、ラトビア、リトアニア、ルクセンブルク、マルタ、モナコ、モンテネグロ、オランダ、北マケドニア、ノルウェー、ポーランド、ポルトガル、ルーマニア、サンマリノ、スロバキア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、英国、ウクライナ)、「連合」7か国(アルバニア、リヒテンシュタイン、モルドバ、EU、米国、カナダ、日本)だと伝え、これに加えてアンドラ、ブルガリア、スイスの3か国が現在国内手続き中だと補足した。
同時に同氏は、アゼルバイジャン、アルメニア、ボスニア、ハンガリー、セルビア、トルコは署名しなかったと伝え、「『プーチンの友達』グループは、今のところ安定性を維持している」と書き込んだ。
また、ウクライナのシュミハリ首相は、テレグラム・チャンネルにて、今回の損害登録機関設置合意に署名した国々に謝意を伝えた。
シュミハリ氏は、「先ほどレイキャビクにて、ロシアの対ウクライナ侵略の損害登録機関設置に関する政治的宣言が署名された。欧州評議会と、ハイレベルでこの重要な決定を支持した全加盟国に感謝している」と書き込んだ。
同氏はまた、この登録は、正義とウクライナとウクライナ国民がロシアによって受けた損害の補償の道における重要な段階だとし、今後は、ロシア侵略の被害者が自らの表明を提出できるようにするために、制度の運用を確保することが必要となると伝えた。
そして同氏は、「私たちの目的は、包括的な補償メカニズムを設立することであり、それにより国際法にのっとったロシアによるウクライナへの完全な賠償金支払いを保障することである。特に世界にあるロシアの資産を通じてだ。目的に向かってパートナーと共に進んでいる」と強調した。
なお、損害登録機関は、政府間協力のためのプラットフォームとして設置されるものであり、欧州評議会の機構内で運用されるものだという。登録機関は、オランダとウクライナの国内法に従った法人となり、オランダに位置することになるという。
この登録機関は、損害賠償要求と証拠に関する情報を受け取り、処理する。同登録機関は、今後ウクライナと強力する形で別途国際合意で設置される将来の国際補償メカニズムの一部となるもの。これに続いて、請求審査委員会と補償基金が設置される。
欧州評議会の加盟国やオブザーバー国、および2022年11月14日付のロシアに対して戦争賠償の支払いを求める国連総会決議に賛成した国は、この損害登録機関に参加することができる。
なお、日本は欧州評議会のオブザーバー国であり、2022年11月14日付国連総会決議に賛成している。
写真:シュミハリ首相(テレグラム)、ムードラ司法次官(フェイスブック)