「私たちはかなりモスクワ中心主義的見方をしていた」=米国研究者
26日、マクフォール氏がキーウ安全保障フォーラムの際に発言した。
マクフォール氏は、米国ではソ連が崩壊してからロシア以外の旧ソ連の個別の国々の研究に対する関心は、ロシア研究に比べて著しく低かったと指摘した。
同氏は、「私たちはかなりモスクワ中心的な見方をしていたのだ。学界も同様だ。私は、スタンフォード大学の教授だが、私たちのところにはウクライナ専攻はない。それは恥ずかしいことだ。それは非常に正しくないことだ。もし、誰かが数百万ドルを持っていて、良いことに注ぎ込むことができるなら、私に連絡して欲しい。私たちはそれについて考えなければならない」と発言した。
同氏はまた、西側世界。特に米国は、その地域に対する見方の「非植民地化」が必要だとし、「政策だけではなく、私たちがその地域の歴史をどのように教えるか、といったことなどについてもだ」と強調した。
さらに同氏は、「ティモシー・スナイダー氏がその問題に取り組んでいるのを知っているが、概して、それははるかに広い問題なのだ。ウクライナは欧州において最重要の国、EU、NATOの最重要の国の1つになる。だから。私たち、特に米国は、あらゆる観点、あらゆる次元でウクライナを理解し始めなければならない。単にロシアの隣にある国としてだけでなく」と発言した。
その他、米スコウクロフト戦略・安全保障センターのドブリャンスキ副所長は、ウクライナの状況は欧州だけでなく、国際社会全体に影響を与えていると指摘し、「そして、それはまたウクライナの勝利の重要性を強調するものだ」と発言した。
同氏は、勝利とは、戦争に勝つだけでなく、平和を失わないことでもあるとし、「そのため、軍事的勝利が達成されたあと、安定化、国の再建の問題でも勝利が達成されねばならない。すでに多くの努力が財政リソースや民間セクター、投資家の動員のために割かれている。しかし、正義の回復、犯罪者の責任、不可逆的処罰、ウクライナへの補償のためのロシアの資産利用の重要性といった問題にも関することだ」と発言した。
同氏はさらに、勝利とは「何よりもウクライナの近代化、デジタル化、必要な改革の履行、投資誘致能力の確保、そして西側コミュニティ、NATO、EUの一員となることである」と強調した。