黒海穀物合意延長問題で、ウクライナはエルドアン・トルコ大統領に期待している=宇大使

黒海穀物合意延長問題で、ウクライナはエルドアン・トルコ大統領に期待している=宇大使

ウクルインフォルム
ボドナール駐トルコ・ウクライナ大使は11日、ウクライナの海洋港からの農産物の安全な輸出を定めた合意「黒海穀物イニシアティブ」の効力延長問題において、ウクライナは、協議よりも、トルコのエルドアン大統領によるロシアへの政治的影響力に期待していると発言した。

ボドナール大使がテレビ番組「統一ニュース」出演時に発言した。

ボドナール氏は、黒海穀物合意はウクライナにもトルコにも、穀物の供給を受けている世界の多くの国にとっても重要だが、同合意は最近はロシアの行動によりほぼ機能していないと指摘した。

また同氏は、「外交の観点では、一定の協議、交渉がもしかしたら今週か来週行われることが提案されているが、それは今のところ未定だ。しかし、当然ながら、(編集注:合意の延長には)政治的影響力の重みの方が(編集注:協議より)はるかに大きい。私たちは、本件では、何らかの形でロシアに義務を履行させるべく、エルドアン大統領が自らのあらゆる力を行使することを期待している」と発言した。

同氏はさらに、ロシア側が穀物合意の延長のために提示している要求は、その大半が合意自体にも合意主体にも関係のないものだと指摘した。その際同氏は、「穀物イニシアティブ参加者は、欧州連合(EU)や米国がロシアに対して発動した制裁には何の関係も有していない。例えば、SWIFT(国際銀行間通信協会)やロシア農業銀行のことだ。本件は、ロシアによる自らを強い立場から示そうとする試みであるが、そのような強い立場は同国にはない」と発言した。

その他同氏は、ウクライナにとっては現状代替案を用意しておくことが重要だとし、ルーマニアやブルガリアの領海を通じた航路がそのような案になり得ると指摘した。

その際同氏は、「その点で起こり得る唯一の問題は、船舶の保険とその価格である。なぜなら、一定の安全の保証の存在にこそ、『回廊』自体の適切な機能と輸送価格が左右されるからだ」と発言した。

なお、これに先立ち、8日、エルドアン・トルコ大統領は、ゼレンシキー宇大統領とのイスタンブルでの共同記者会見時に、トルコ政権は黒海穀物イニシアティブの延長に関する作業を行っており、同合意の効力が2年間延長できるようあらゆる努力を行っていると発言していた。

現在の黒海穀物イニシアティブの効力は、7月17日で失効する。ロシアは、現状では同合意を延長する意向を示しておらず、同時に対露制裁の一部を解除したり、ロシアの商品を購入したりすることを要求している

2022年7月22日、イスタンブルにて、ウクライナとトルコと国連、及び、ロシアとトルコと国連がそれぞれ、ウクライナの海洋港の封鎖を解除し、ウクライナ産農作物を輸出できるようにするための合意を締結していた。同合意は、120日間継続し、当事者の合意により延長できることになっていた。これまでに、複数回合意の延長が行われている。

写真:ウクライナ・インフラ省


Let’s get started read our news at facebook messenger > > > Click here for subscribe

トピック

ウクルインフォルム

インターネット上の全ての掲載物の引用・使用に際しては、検索システムに対してオープンであり、ukrinform.jpの第一段落より上部へのハイパーリンクが義務付けてられています。また、外国報道機関の記事の翻訳を引用する場合は、ukrinform.jp及びその外国報道機関のウェブサイトにハイパーリンクを貼り付ける場合のみ可能です。「宣伝」のマークあるいは免責事項のある記事については、該当記事は1996年7月3日付第270/96-BPウクライナ法「宣伝」法第9条3項及び2023年3月31日付第2849ー9ウクライナ法「メディア」の該当部分に従った上で、合意/会計を根拠に掲載されています。

© 2015-2024 Ukrinform. All rights reserved.

Website design Studio Laconica

詳細検索詳細検索を隠す
期間別:
-