ロシア、黒海穀物回廊合意の停止を発表

ロシア、黒海穀物回廊合意の停止を発表

ウクルインフォルム
ロシア連邦は17日、トルコ、ウクライナ、国連に対して、ウクライナの海洋港からの同国の農産物を安全に輸出させるための黒海穀物回廊合意の効力を延長しないことを通達した。

露インターファクス通信がザハロヴァ露外務報道官の発言を報じた

ザハロヴァ外務報道官は、「ロシアは今日、トルコ側、ウクライナ側、並びに国連事務局に対して、正式に合意延長への反対を通達した」と発言した。

ザハロヴァ氏はまた、「近々ロシアの立場が詳細に説明される声明が公開される」とも述べた。

さらにインターファクスは、ペスコフ露大統領報道官が同合意の効力停止を認める発言を行ったと報じた。ペスコフ氏は、実質的に「黒海合意は今日自らの効力を停止する」と述べた上で、ロシア大統領の主張を伝えた。その主張は、「その黒海合意のロシアに関する部分がこれまで履行されていないので、合意の効力は停止する」というもの。さらにペスコフ氏は、「合意のロシアの部分が履行され次第、ロシア側は同合意の実現に速やかに戻る」と述べた。

なお、同合意に従ってウクライナの穀物を輸出する現時点で最後の船が、16日にオデーサ港を出帆している。

これに先立ち、2022年7月22日、イスタンブルにて、ウクライナとトルコと国連、及び、ロシアとトルコと国連がそれぞれ、ウクライナの海洋港の封鎖を解除し、ウクライナ産農作物を輸出できるようにするための合意を締結していた。同合意は、120日間継続し、当事者の合意により延長できることになっていた。これまでに、複数回合意の延長が行われている。

プーチン露大統領はこれまでにも対露制裁の解除やロシアの輸出の障害除去を求め、それが実現できない場合は、同合意から離脱すると主張していた。ロシアによる主要な要求の1つが、2022年6月に欧州連合(EU)により制裁対象となった、ロシア農業銀行のSWIFT(国際銀行間通信協会)への復帰であった。

これに対して、EUは、ロシア農業銀行の子会社をSWIFTへの接続し、穀物と肥料の取引をできるようにする可能性を検討していた。

エルドアン・トルコ大統領は先週、グテーレス国連事務総長がプーチン露大統領に書簡を送り、ロシア政権に対して、EUがロシア農業銀行の子会社をSWIFTに接続するための時間を得られるよう、黒海穀物合意を延長することを提案したと発表していた。

写真:インフラ省


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