ロシアは占領するウクライナ諸地域で選挙結果捏造の可能性大=英国防省
英国防省が情報機関の情報を参照した上で、ソーシャルメディア「X」アカウントで報告した。
報告には、ロシアが一時的に支配するウクライナ領にて、ロシアの大統領選挙の期限前投票が始まっていることが喚起されている。そして、ロシア「政権」による現地住民を投票に向かわせるための努力が強まっていると指摘されている。
例えば、東部ルハンシクでは、2600人の当局者が住民の自宅をめぐり、住民に投票するよう説得しているという。同時に、教育機関やその他の「政権」関係者は、自分の部下たちを投票へ向かわせるように言われていると書かれている。
報告には、独立した選挙監視員はおらず、投票者リストは少なくとも1つの町で不在であり、結果の捏造の可能性が大きくなっていると指摘されている。
さらに、「住民の著しい退去や現行の紛争(編集注:ロシア・ウクライナ戦争)による移住からして、おそらく戦争前のおよそ3分の1の住民のみが残っている」と書かれている。
その他、英国防省は、ロシアにはウクライナ領で選挙実施を行う法的基盤がないことを補足し、然るべき代表性の不足、低い安全水準や住民に投票を強制させる方策から「選挙」結果への信頼は損なわれていると指摘している。
その上で、「これら地域の占領政権が、民主的選択が行われたとの印象を与えることを目的に、実際に起きることとは無関係に、プーチンへの圧倒的支持を伴う高い投票率を主張する可能性は非常に高い(higly likely)」と結論付けられている。
これに先立ち、日本の林内閣官房長官は11日、ロシアが「併合」を一方的に宣言したウクライナ国内の諸地域でロシアの「大統領選」の期日前投票が行われていることにつき、ロシアのこれらの地域の自国領への「併合」は決して認められず、強く非難するとの政府の立場を繰り返した上で、「こうした違法な併合に基づいて、これらの地域でロシアがこうした『選挙』を実施することもまた決して認められない」と発言していた。