スイス大使、中国・ブラジル「和平案」について「私たちは文書に署名していない」
バウマン・スイス大使がインターファクス・ウクライナへのインタビュー時に発言した。
バウマン氏は、「私は、その点で一定の誤解が生じたと思っている。何よりも、先週ニューヨークの国連総会会場内での中国とブラジルが開催した会合の後、なんのコミュニケにも加わっていないし、署名もしていない。第二に、私たちは会合に出席したが、それはオブザーバーとしてだった。そして。3つ目の大切なことは、スイスは自らの立場を変えていない、ということだ」と発言した。
その際同氏は、スイスの立場は「完全に明確なままだ。ロシアの対ウクライナ全面軍事侵略のどのような解決策も、国際法、国連憲章、とりわけウクライナの領土一体性と主権を完全に尊重しなければならない」と伝えた。
同時に同氏は、スイスは、前述の基本原則を尊重する和平計画は全て検討すべきだと指摘した。
そして同氏は、「私たちは、スイスで6月に開催されたウクライナの第1回『平和サミット』の総括コミュニケの中でそれを目にしてきた。そのサミットは、ウクライナの『平和の公式』やその他の国際法や国連憲章に合致する和平提案に基づいたそれまでの議論をもとに組み立てられたものだ」と発言した。
その上で同氏は、「その立場に従って、スイス外務省は、中国とブラジルの主導した会合にオブザーバーとして出席することを決めたのだ」と指摘した。
さらに同氏は、スイスが「多大な苦しみや犠牲をもたらしている戦争が続いている時に平和を話すことは大切」だと考えているから、その決定が採択されたのだと発言した。
同氏は、「そして、それは、和平プロセスの展望を協議するために私たちが広範な国々を集めてビュルゲンシュトックにて6月に行ったことと同じだ。しかし、スイスの立場は変わっていない。それは、ウクライナ抜きでウクライナのことについて何も決めてはいけない、というものだ」と強調した。
これに先立ち、ウクライナ外務省は29日、スイス政府がいわゆる「中国・ブラジルの6項目のコンセンサス」への支持を表明したとの情報に失望を表明していた。
写真:インターファクス・ウクライナ