
ロシアは被占領地から去らないだろうが、法的にはその領土はロシア領とはならない=ケロッグ米特使
ケロッグ特使がフォックスニュースへのインタビュー時に発言した。
ケロッグ氏は、ロシアはルハンシク州を完全に支配しているが、ドネツィク州とザポリッジャ州とヘルソン州は部分的にしか支配していないと指摘した。
また同氏は、「よって問題は現在、それらはどうなるか、領土獲得はどうなるか、である」と発言した。
同氏はその際、領土の「実質的支配」と「法的支配」を理解することに立ち返るべきだとし、「実質的とは、彼ら(編集注:ロシア)が領土を実質的に占領し、彼らがそこを立ち去らないことである。しかし、あなたは法的扱いに移行して、『彼らは領土を完全に併合した、私たちはそれをロシアの一部として彼らに明け渡す』とは言えないのだ。それについて議論が行われねばならない」と発言した。
次のステップはどのようなものとなるか、と質問されると、ケロッグ氏は、ロシア側とウクライナ側が望んでいることを理解するために、条件のリストを手に入れなければならないと発言した。
その際同氏は、「ウクライナ人が何を望んでいるか? ロシア人が何を望んでいるか? それから、あなたは、双方が納得できることを得て、受け入れ可能な状況に向かうべく、それら(編集注:双方の要望)をまとめるのだ。私は、それは難しいステップだと思っている」と述べ、またどちら側も、望むもの全てを得ることはないとも指摘した。
これに先立ち、米国のウィトコフ中東担当特使は21日、ロシアの対ウクライナ戦争の解決における鍵となる問題は、占領地問題だと発言していた。その際同氏は、それはクリミアや「いわゆる4つの地域、ドンバスと…、ルハンシクとあと2つ」のことだと述べ、さらに「ロシア語話者地域」で「住民投票が行われて」「多数がロシア政権下に入ることを望んでいることを示した」とロシア発の占領を正当化するナラティブを繰り返していた。
同発言につき、戦争研究所(ISW)は、クレムリンはクリミア及び他4地域がロシア領であると繰り返し虚偽の主張をしており、侵略国が占領したこれらの領土をロシアが「取り戻した」とするウィトコフの発言は、拡張主義的な領土要求とウクライナへの数々の侵略を正当性するものだと指摘していた。