キーウでスキタイの金細工の一部が公開

キーウでスキタイの金細工の一部が公開

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ウクルインフォルム
ウクライナ国立歴史博物館宝物庫では1日、オランダの代表者の参加を得た上で、オランダでの裁判を経てウクライナに返還されたスキタイの金細工の一部が公開された。

ウクルインフォルムの記者が伝えた。

歴史博物館の主要研究員を務めるオクサーナ・リファンチー氏は、クリミアで発掘された中国製の木造塗り箱にも注意を促した。

リファンチー氏は、「当時、1世紀初頭としては、極めて興味深い発掘物であり、これはクリミアに住んでいた人々の間で広範な貿易が行われていたことを示すものである。また、人々がかなり遠方まで旅をしていたことも示す可能性がある」と指摘した。

同氏はまた、多くの金の宝飾品が公開されたが、その大半は小さな平板なプレートで、シンプルな幾何学模様の物や動物が描かれた、衣服に取り付けられる細工だと伝えた。

写真:ヘンナジー・ミンチェンコ/ウクルインフォルム

同氏は、「ウクライナの地にはるか以前に暮らしていた遊牧民のスキタイ人は、自らの衣服に金を縫い付ける伝統を持っていた。それにより彼らはしばしば『金の民』と呼ばれている。後期のスキタイ人やサルマタイ人もまたその伝統を持っていたが、プレートのサイズはかなり小さくなり、紋様ももっと簡素になった」と説明した。

今回のコレクションに関して特に価値があるのは、大半が発掘作業時に発見されたことだとし、「それらが埋葬地からの発掘品であることから、そこから、それらが衣服のどこに位置していたのかを再現することが可能だ。それは、衣服の再現にとって特に重要である」と強調した。

これに先立ち、11月27日、ウクライナ国立歴史博物館が、オランダで過去に開催されていた展覧会「クリミア 黒海の金と秘密」で展示されていたクリミアの博物館の展示品がオランダからウクライナへ返却されたと報告していた

オランダのアムステルダム控訴裁判所は2021年10月26日、2014年のロシア連邦によるクリミア占領開始以前に、クリミアの博物館の所蔵品のスキタイ民族の金細工がオランダにおける特別展にて展示され、占領開始後の返還先を巡って争われていた裁判につき、展示品をウクライナ政府の支配が及ぶ領域へと返還することを命じる判決を下していた。

歴史博物館は、2014年2月から8月までアラルド・ピアソン博物館にて「クリミア 黒海の金と秘密(De Krim. Goud en geheimen van de Zwarte Zee)」展が開催され、ウクライナ国立歴史博物館とクリミアの4つの博物館(タウリヤ中央博物館、ケルチ歴史文化保護区、バフチサライ歴史文化保護区、ヘルソネス・タウリダ国立保護区)の所蔵物が展示されていたと伝えた。

2014年2月に、ロシアがクリミアを占領したところ、ウクライナ国立歴史博物館の所蔵物は展覧会が終了したらキーウに戻されたものの、当時クリミアの博物館はすでにウクライナ政権のコントロール下ではなくなっており、4つの博物館の所蔵物を元の博物館のところに戻すことができなくなっていた。他方で、ロシア政権が実質的に支配しているその4つの博物館は、展示物の返還を要求。この状況を受けて、オランダで本件に関する裁判が始まった。

第一審の判決は、2016年12月14日、アムステルダム地区裁判所が下している。一審で地区裁判所は、展覧会でクリミアの博物館の所蔵品から持ち出されていた展示品をウクライナへと返還するよう命令する判決を下していた。判決は、文化遺産は一時的展示のために貸し出した主権国家へ戻すことを定めたユネスコの条約に基づいて下されていた。

そして、オランダ最高裁判所は2023年6月9日、2014年のロシア連邦によるクリミア占領開始以前にクリミアの博物館所蔵品であるスキタイ民族の金細工がオランダで展示され、占領開始後の返還先を巡って争われていた事件につき、展示品をウクライナ政府の支配が及ぶ領域へ返還することを命じる最終的な判決を下していた


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