EUに「戦争疲れ」の兆候は一切ない=ボレル上級代表

欧州連合(EU)のボレル外務・安全保障政策上級代表は28日、EU加盟国の間にロシア・ウクライナ戦争へのいわゆる「疲れ」の兆候は一切観察されていないと発言した。

ボレル上級代表がブリュッセルでのクレーバ宇外相との共同記者会見の際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。

ボレル氏は、記者からEU加盟国の間の「戦争疲れ」に関する質問に答える形で、「言うまでもなく、ウクライナにおける戦争の展望は私たちが抱えている最も重要な問題の1つだ。しかし、率直に言えば、あなた方が『疲れ』と呼んでいるようなものを加盟国が抱えているという兆候を、私は一切見ていない。皆、心配はしている。皆、ウクライナ人の成功を認めている」と発言した。

またボレル氏は、ウクライナの成功として、黒海における「穀物回廊」の活動再開を挙げつつ、「なぜかそれについては話されていない」と指摘した。その際同氏は、「それは軍事反転攻勢に注目しているからだ。しかし、例えば、ウクライナからの穀物の海を通じた輸出には大きな成功がある。どれほどの船が、ロシア艦隊の攻撃を回避しつつ、その回廊を通って穀物を輸出したのか。ロシア艦隊は黒海海上から追い出されている。そして、彼ら(ウクライナ)は、航路を開いたのだ。それは、ロシア艦隊を自らの境界線の外へと追い出したウクライナの軍事能力のおかげで解決したことである」と発言した。

さらに同氏は、ウクライナ防衛戦力がウクライナ南部ヘルソン州のドニプロ川左岸で拠点を固めていることを喚起した。

その上で同氏は、「よって、皆がウクライナの抵抗能力の状況がどのようなものかを完全には理解しないまま、戦争を見ているのだ。私は、加盟国がウクライナを支援していくと確信している。なぜなら、私たちにとって、それは存在に関わる問題だからだ。私たちは、自らを疲れさせることができない。それは、私たちのコミットメントでもある」と強調した。