ウクライナがドンバス地方を精神的に取り戻すのは、クリミアを取り戻すより困難となるだろう=ゼレンシキー宇大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は11月30日、東部ドンバス地方の脱占領後に現地住民を精神的に取り戻すことは、クリミアの住民を取り戻すよりも困難となるだろうとの見方を示した。
ゼレンシキー大統領が南部ミコライウの3つの教育機関の学生との面会の際に発言した。大統領府がフェイスブック・アカウントで伝えた。
ゼレンシキー大統領は、「もしかしたら、ウクライナは以前に占領されたところは、そこの人よりも領土を先に取り戻すことになるかもしれない。あり得ることだ。なぜなら、ドンバスを奪還するとして、そこの人々は異なる空間にもう10年間も暮らしているのだ。私は、ドンバスの方が難しくなると思っている」と発言した。
また同氏は、ウクライナのパートナー国が、ウクライナがクリミアを取り戻すのはほぼ不可能で、ドンバスを取り戻すのは非常に難しいなどと何度も話してきたと述べた。さらに同氏は、ドンバスを精神的に取り戻すのは、クリミアを精神的に取り戻すより困難となるだろうと思っていると発言した。
同氏は、「その被占領地に暮らしている人々について話すと、ドンバスを精神的に取り戻すのは、クリミアより困難となるだろうと思っている。なぜなら、そこには、常にコンタクト・ラインがあり、常に戦闘行為があったからだ。そこにこそ多くの分離主義があり、彼らは戦ってきた。(中略)そして、現在彼らはロシア側で戦っている。しかし、戦闘はクリミアではなかったのだ」と説明した。
同時に同氏は、クリミアの人々は家への帰還(編集注:ウクライナのコントロールの回復の意)と待っていると述べ、ドンバスの人々も待っているが、ドンバスを精神的に取り戻すのは困難だろうと繰り返した。同氏は、「そのウクライナ領の一部は、単に占領されただけでなく、最大限軍事化されたのだ。人々は最初、コンタクト・ラインへと向かい、その後自国民に対峙して全面戦争へと向かったのだ」と指摘した。
その際同氏は、どのような困難があろうとも、最も重要なことは、ウクライナ内部の一体性、連帯、ウクライナの核心部を維持することであり、そうすることでそれ以外のものも取り戻せるようになるのだと強調した。同氏は、そのために世代レベルで時間がかかるのは仕方がないけれども、それでも「私たちはその長い道のりを踏破する」と発言した。