米戦争研究所、西側によるウクライナ支援継続の重要性主張

米国の戦争研究所(ISW)は、プーチン露大統領がウクライナで目的を達成できていないことはまだ恒常的な条件ではないとし、西側によるウクライナへの恒常的支援のみが、その目的達成を防ぎ続けることを保証するものだと指摘した。

ISWの報告書に書かれている

ISWは、ウクライナ政権をクレムリンの受け入れられるものへと交代し、ロシアの将来の要求に対峙するウクライナの能力を破壊し(非武装化)、ウクライナが自らの外交・軍事パートナーシップを選ぶことを禁止する(中立化)という、プーチン露大統領の最大主義的目的を説明した上で、ロシア軍はその目的をもってウクライナを屈服させることに失敗したと指摘した。

また、最近プーチン露大統領が、自身のウクライナでの目的は変わっていないと述べたことが喚起されている。ISWは、プーチンと露政権幹部が領土拡張主義的な発言をますます頻繁に行うようになっているとし、それらの目的がさらなるウクライナ領の支配を排除するものではないことを示していると指摘している。

報告書には、「プーチンの条件によるロシアの勝利は、必ずしもウクライナの全面的なロシアへの併合とウクライナ国家の抹消を意味するものではないが、しかし、少なくとも彼らが現在のウクライナ国家を破壊し、完全にロシアが支配する国家に作り替えることを意味していることは確かであり、そのためには、ロシアによるウクライナの全面的な軍事占領が必要になる可能性が非常に高い」と書かれている。

その上でISWは、西側の支援が崩れた場合、ウクライナがロシア軍を食い止める能力が崩壊する可能性が高くなると指摘しており、ウクライナにおける現在の陣地戦は安定したこう着状態ではないとし、なぜなら、現在の不安定なバランスは西側の決定によって容易にどちらかの方向に傾く可能性があるからだと評価している。その上でISWは、現在の西側の安全保証支援を継続することが、プーチンの最大主義的な目的を達成できなくさせることのできる、現時点で唯一の行動方針だと主張している。

写真:ウクライナ軍参謀本部