ゼレンシキー宇大統領、今停戦してもロシアに有利に働くだけと指摘
ウクライナのゼレンシキー大統領は11日、ロシア国内には現在兵器の不足があると述べた上で、現在停戦してもロシアに有利に働くだけだと発言した。
タリンを訪問しているゼレンシキー大統領がカッラス・エストニア大統領との会談後共同記者会見の際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「ウクライナ領内の戦場での一時停止は、戦争の一時停止とはならない。それは、戦争の停止を意味せず、ロシア連邦やその他の誰との政治対話ももたらすことはない。その停止は、ロシア連邦を助けることになるだけだ。なぜか? なぜなら、私たちは、現在どれだけの生産をしているか、その規模を理解しているからだ(編集注:兵器生産の話)。私たちは、彼らが1日にどれだけ無人機、砲弾を生産しているかを知っている。私たちは、彼らに何が足りないのか、何が大きな不足となっているのかを見ている。そして現在、その停止は、単なる紛争の凍結にもならず、それは彼ら(ロシア)を助ける停止となるのだ」と発言した。
同氏はまた、ロシアにおける兵器の不足については、ロシアのイランでの自爆型無人機「シャヘド」の大量購入や、ミサイルに関する合意協議が示していると指摘した。そして、「彼らはまだ(編集注:ミサイルに関して)合意に達していない。しかし、彼らは北朝鮮から100万弾以上の砲弾を受け取っており、私たちはいくつかのミサイルの例も目にした。どうして彼らはそのようなことをしているのだろうか? なぜなら、彼らの自分のところの生産が追いついていなからであり、ウクライナへの全面侵攻開始以降、彼らの倉庫が空っぽになっているからだ。当時彼らは、溜め込んでいた大量のあらゆるものを抱えてやってきたのだ」と説明した。
さらに同氏は、世界も現在ウクライナの倉庫を満たすことができていないが、しかし、それでも世界はウクライナを支援しており、ロシアには不足が生じていると指摘し、その不足がどのように戦場のロシア軍の強靭性に影響を与えているかをウクライナ側は観察していると述べた。
その上で同氏は、「停止を与えて、リスクを取り、ロシア連邦に2、3年を与えると、ロシアはその後、私たちをただただ轢き殺すだろう。私たちは、そのようなリスクは取らない。そして、神よ、全てはウクライナにおいて解決されているのだ。だから、ロシア有利の停止は絶対に生じない」と強調した。
なお、11日、ゼレンシキー大統領は、エストニア首都タリンを訪問している。
写真:大統領府