「2024年に過度に悲観的とならないことが肝心」=NATO軍事委員長、露宇戦争の現状を評価
北大西洋条約機構(NATO)のバウアー軍事委員長は18日、ウクライナが戦場で戦果を達成している一方で、ロシアの行動は軍事的観点では非効率的だと指摘した。
バウアー軍事委員長が2日間行われた国防相会合の総括記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
バウアー氏は、「私たちは、集中的な戦闘が継続していると評価している。最近のロシアの攻撃は非常に破壊的だが、それらは軍事的観点では効率的ではない。同時に私たちは、ウクライナ側の著しい戦果を目にしている」と発言した。
また同氏は、世界は「2023年に過度に楽観的だったかもしれない。そして、私たちが2024年に過度に悲観的とならないことが非常に肝心だ」と指摘した。
さらに同氏は、ロシアが3日間戦争となるはずと考えていた戦闘は、すでに694日続いていると発言した。そして、「ウクライナは欧州における独立主権国家として勝利した。彼らは、欧州大西洋家族にかつてないほど近くなっている。そして彼らは、ロシアに深刻な損耗をもたらしている」と指摘した。
また同氏は、現時点でロシア軍は30万人以上の死傷者を出しており、何千のロシアの戦車・装甲車、数百のロシアの航空機が破壊されているとし、またウクライナはロシアが全面戦争開始以降に制圧した領土の約50%を脱占領したと伝えた。
加えて同氏は、もう1つのウクライナ防衛戦力の達成は戦場の奥深い地点への攻撃し、ロシアの重要な戦争遂行能力を破壊する能力だと指摘した。同氏は、ウクライナは完全な艦隊を保有していない中で、ロシアの黒海艦隊を追いやり、海上の穀物回廊を再び開通させることができたのは、さらなる大きな成果だと強調した。
そして同氏は、「テーブルに着いていた軍事リーダー全員が、ウクライナの同士の自衛を支える決意を確認した。これは慈善ではない。ウクライナ支援は、私たち自身の安全保障への直接投資なのだ。協議を通じた長期的解決策を達成する唯一の手段は、戦場でのウクライナの立場を強化することである」と説明した。
なお、1月17日、NATO軍事委員会の活動の一環で、ウクライナ・NATO理事会の国防相級会合が開催された。ウクライナからは、ザルジュニー軍総司令官の代わりに、サルクツァン・ウクライナNATO軍事代表が出席した。