Il76墜落後に露ベルゴロドの死体安置所に運び込まれた死体は5人分のみ=ウクライナ情報総局
ウクライナ国防省傘下情報総局のユソウ氏は25日、24日にロシア領ベルゴロド州で墜落した軍用輸送機Il76の機内にはロシアの幹部が搭乗するはずだったが、直前にロシア連邦保安庁(FSB)が搭乗しないように指示を出したと伝えた。また、墜落後にベルゴロドの死体安置所に運び込まれた死体は5人分だけだったとも報告した。
ユソウ氏がニュースサイト「ラジオ・スヴォボーダ」にコメントした。
ユソウ氏は、「同機には侵略国の軍事・政治代表のVIP高官が数名乗るはずだった。(中略)しかし、直前にFSBが彼らに対して同機に乗らず、他の輸送手段を使うことを実質的に命じた。この情報は、その出来事が起きた後に明らかになったものである」と発言した。
また同氏は、これら高官の名前は明らかになっているとし、「国際捜査の枠組みで名前が挙げられ、証拠が提示される」と伝えた。
さらに同氏は、ロシアの救助隊は同機墜落現場の視察が許可されなかったとし、「現場を訪れたロシア非常事態省の代表者は、FSB代表者と軍人により実質的に追い払われ、彼らには手順に従った現場視察と墜落(の影響)の限定化を行う許可が与えられなかった」と指摘した。
加えて同氏は、オンライン上に公開された墜落現場の動画には死体の断片が見当たらないとしつつ、同時に、現存の情報では、ベルゴロド市の死体安置所には5体の遺体しか運び込まれていないと伝えた。
そして同氏は、「大切なのは、その数は、そのロシア航空宇宙軍のIl76の乗員の数と合致することだ」と指摘した。
これに先立ち、24日、ロシアの複数のテレグラム・チャンネルが、露ベルゴロド州で、装備品や兵員の輸送に使用されているIl76が墜落したと伝えていた。ロシアの報道機関は当初、機内には63名の人物が乗っていたが、全員が死亡したと報じていた。
ウクライナ情報総局は、1月24日には、ウクライナとロシアの間で捕虜の交換が行われるはずだったが、行われなかったと発表した。ロシア側は、Il76にはウクライナ捕虜を移送していたので、それが撃墜されたせいだと主張している。情報総局は、現時点で、同機に誰が乗っていたか、何人乗っていたかということにつき、正確かつ完全な情報を有していないと伝えている。
ゼレンシキー大統領は、本件のあらゆる状況の解明が必要だとし、同状況の国際捜査を主張していくと発言した。