約26%のウクライナ領がまだロシアの占領下=ゼレンシキー大統領
ウクライナのゼレンシキー大統領は、ウクライナは過去2年の戦争で全面侵略戦争開始前に比べて、経験を積み、欧州に近くなり、少し疲れているが、強くなったと発言した。また同氏は、ウクライナ領の約26%がまだ占領されているとしつつ、他方で皆がロシア軍が強力に前進することができていないのも目にしていると指摘した。
ゼレンシキー大統領がイタリアのテレビ局RAIへのインタビュー時に全面戦争2年を経験したウクライナを形容した。
ゼレンシキー氏は、「ウクライナは変わった。欧州により近くなった。然るべき決定が多く採択され、多くの外交的作業が行われ、関連の決定が生じた。今日、ウクライナは前より強力な軍を抱いている。今日、ウクライナには西側の装備と弾薬がある。経験を積んだウクライナだ。時々少し疲れているが…、しかし強い」と発言した。
同時に同氏は、ロシアがもう皆に対してあらゆる手段でもって、自らがテロリストであることを示したにもかかわらず、いまだにウクライナとロシアの間でバランスを取っている人がいることにつき、時々ウクライナは苛立っていると指摘した。その際同氏は、「制裁を迂回するのを助ける者もいる。プーチン、具体的にプーチンとその周辺の者たちが単に私たちを殺したいというだけで、テロリストであるということをいまだに信じていない者もいる」と発言した。
さらに同氏は、ウクライナは時々厚かましく見えるかもしれないとしつつ、しかし、それはウクライナに文化がないからでは全くないと説明した。同氏は、ウクライナに文化はあるし、あらゆる価値もあるが、時々そのような厚かましさがなければ、他の人がウクライナのことに耳を傾けてくれないのだとし、一方でロシアは情報手段、外交手段、金を使って、世界や欧州に影響力を行使できると指摘した。
その他同氏は、ウクライナ領は現時点で約26%占領されているとしつつ、しかしウクライナ側はロシア軍の進軍を止めており、ロシア軍は強力な前進ができていないと指摘した。さらに同氏は、2022年2月24日以降に占領された領土の内50%はウクライナ防衛戦力が脱占領することができたと伝えた。
同氏は、「今日国は、戦争というものがどういうものなのかを知っている。残念ながら、多くの家族には喪失あるいは負傷者がいるか、近親者が前線にいる。しかし、今日、私たちは孤独ではない。世界中の記者の他に、私たちは、世界中の首脳をまとめることができた。私たちは、支援、武器での支援で彼らをまとめることができたのだ」と強調した。
また同氏は、最も重要なことは、ウクライナ人が全面戦争の2年間、自国を守り抜いたことだとの見方を示した。同氏は、「当時、人々は怖がっていた。最初は、多くの混乱があった。ウクライナの人々のところ、町に夜間にミサイルを使った予想外の侵攻があったのだ。人々はショックを受けた。まさかただただミサイルで人を殺し、拷問するなどということが起こり得るとは…。今日、2年が経ち、最も重要なことは、私たちが自国を守り抜いたことである」と発言した。
その際同氏は、最初の恐怖と混乱の後、人々は、自分のことを、自分の大地を守らねばならないと理解したと強調した。同氏は、「私たち皆が集まり、自分の大地、自分の家族を守り始めたのだ。なぜなら、代わりがないからだ。あなたのことを殺しにくる者がいたら、守らねばならない、自衛せねばならない。そして、それは非常にシンプルな条件だ。私は、その条件は非常に明快だと思う。能力がある者も自衛をし、ない者も自衛をした。そして、ある程度時間が経つと、人々は、それが敵との戦争であることを理解し始めた。昨日、隣人がいたこと、友情について話していたことは忘れよう。今日、彼らは単なる殺人者なのだ」と説明した。
写真:大統領府