米国はウクライナの現在の戦況を「戦略的危険な時期」とはみなしていない=副大統領補佐官

米国のジョナサン・ファイナー国家安全保障担当副大統領補佐官は6日、米国はロシア軍による最近の攻勢によるハルキウ州での追加的領土制圧をロシア・ウクライナ戦争の展開全体の観点での戦略的重要な要因とはみなしていないと発言した。

「アメリカの声」がファイナー補佐官の発言を伝えた

ファイナー氏は、これらの領土の制圧は「ウクライナにおける戦争の展開全体の観点から戦略的に重要」なものではないと強調した。

そして同氏は、「ロシアは主に自国国境に沿ったところで、狭い一帯の領土の制圧に成功したが、私たちはそれを戦争の軌道全体の観点から戦略的に重要なものとはみなしておらず、私はウクライナがそうみなしているとも思わない。彼らは、その領土を制圧する試みに甚大なリソースを投じて、そのために莫大な代償を払ったのだ」と発言した。

さらに同氏は、ウクライナ防衛戦力が「ロシア国境から数キロメートルで」ロシア軍のその攻勢を止めることに成功したことの方がはるかに重要だと強調した。

同氏は、新アメリカ安全保障センターが組織した、2024年国家安全保障会議『ハイ・ステークス』の際に、「ロシアがハルキウから北の攻勢で実際にどれだけの成果を上げたかについて、おそらく、過剰な否定的見方、悲観論が存在すると思っている」と発言した。

そして同氏は、「今、非常に重要なことは、前線へと西側諸国から必要な軍事支援を供給することだ。特に重要なのが防空手段と弾薬である」と補足した。

その他同氏は、ロシアは機材と兵員に多大な損耗を出しているにもかかわらず、「国際社会やウクライナにとって受け入れられる条件での」戦争終結への真の願望を示していないと指摘した。

同氏は、従って、現在の戦略的目的は、ロシアに時間の経過はロシアの味方だと感じさせないこと、ロシアはウクライナや同盟国に圧力をかけ続けることでウクライナを破滅させられると思わせないことだと説明した。その上で、米国の対ウクライナ追加支援パッケージの採択は、大きな意味を持っているとも述べた。

その上で同氏は、「つまり、これは、戦場で起こる競争となる。それはまた、私たちの工場、欧州の工場、私たちが共同生産を始めるウクライナの工場で行われる競争ともなるだろう」と補足した。

写真:コスチャンティン・リベロウ