ドゥビンシキー・ウクライナ最高会議議員に国家反逆罪通達

写真・動画

ウクライナの国家捜査局は13日、オレクサンドル・ドゥビンシキー最高会議(国会)議員に対して、国家反逆罪容疑を伝達した。同局は、ドゥビンシキー氏はロシア軍参謀本部情報総局(GRU)の作った犯罪組織に加わっていたと伝えた。14日、キーウ市ペチェルシキー地区裁判所は、ドゥビンシキー容疑者の収監を決定した。

国家捜査局保安庁(SBU)検事総局が容疑伝達について公表した。

検察の発表には、「ウクライナ検事総局は、ウクライナ最高会議議員への容疑伝達に署名した。同人物は、国家反逆罪と犯罪組織参加の容疑がある。さらに、検事総局の検察官の手続き監督の下、この犯罪の実施の容疑をロシアの情報機関職員2名、元最高会議議員1名、元検察官1名にも伝達した」と書かれている。

SBUは、法執行機関職員は、犯罪組織がキーウで活動するエージェントネットワークとして、露GRUのウラジーミル・アレクセーヴィチ副局長によって作られたことが判明したと伝えた。この集団をロシア側で統率していたのは、アレクセーヴィチ氏の部下のアレクセイ・サヴィン氏だという。両名と、アンドリー・デルカチ元ウクライナ最高会議議員、コスチャンティン・クリク元ウクライナ検察官にも容疑が伝達されたと書かれている。

この犯罪組織の主な課題は、ウクライナの社会・政治情勢を混乱させ、国際情理でのウクライナの評判を落とすことにあり、その目的のために、組織のメンバーは露GRUから資金を受け取っていたという。提供された資金は、1000万ドル以上になると説明されている。

🔹Народному депутату України та ще чотирьом особам повідомлено про підозру у державній зраді, вчиненій у складі злочинної...

Опубліковано Офіс Генерального прокурора Понеділок, 13 листопада 2023 р.

捜査の際に、容疑者の1人がウクライナの軍・政治高官に関する偽情報を拡散していたことが判明したという。一例として、2019年に米国の大統領選挙にウクライナの政権高官があたかも介入したなどという偽情報が紹介されている。親露ナラティブの拡散のために記者会見が利用されていたという。

さらに捜査班は、現最高会議議員の他、元最高会議議員であり、ロシアの全面侵攻開始直前に国外に逃亡したアンドリー・デルカチ氏と元検察のコスチャンティン・クリク氏も同犯罪組織に加わっていたと伝えた。クリク氏も現在海外に潜伏しているという。クリク氏は、情報工作の際に、ロシアに有利な偽情報についてあたかも法的根拠があるかのような発言を公の場で行っていたという。

その後、14日未明、キーウ市ペチェルシキー地区裁判所は、ドゥビンシキー容疑者の未決囚予防措置として、保釈金設定のない、60日間の逮捕(収監)を決定した。公共放送局が伝えた

ドゥビンシキー容疑者は、2024年1月12日まで収監されることになる。

写真・動画:ヘンナジー・ミンチェンコ/ウクルインフォルム

なお、裁判は、検察の要請を受けて、非公開で行われた。

ドゥビンシキー氏の弁護士は、同決定を控訴すると発言した。

なお、ドゥビンシキー議員は、2019年の最高会議選挙で与党「人民奉仕者党」から出馬し当選。その後、2021年に米国の制裁対象となった後、人民奉仕者党会派から除名されていた。オリガルヒ(大富豪)コロモイシキー氏の所有するテレビ局の元キャスターで、同氏との繋がりが深い人物。

また、デルカチ元議員、クリク元検察官も米国の制裁対象となっている。