ウクライナの汚職調査記者への召集令状手交事件 職権濫用の可能性で刑事捜査開始
ウクライナの検事総局は8日、調査報道グループ「捜査(スリツトヴォ)インフォ」の記者が、保安庁(SBU)の職員の資産に関する番組を準備していた際に、SBUが地域採用・社会支援センター(徴兵機関)に対して同記者に召集令状を渡すよう指示を出した疑いにつき、SBUと地域採用・社会支援センターの職員による職権濫用の可能性に関する捜査を開始したと発表した。
検事総局がテレグラム・チャンネルで伝えた。
発表には、「『捜査インフォ』の記者へと令状手交の際に生じた事件に関連して、検事総局は、あり得る職権濫用、あり得るSBUと地域採用・社会支援センターによる記者の職業活動妨害の事実に基づき、統一裁判前捜査登録へと情報を登録した」と書かれている。
裁判前捜査の実施は、管轄となる国家捜査局の総捜査局が実施するよう指示を出されたとのこと。
これに先立ち、4月6日、「捜査インフォ」は、同グループの記者イェウヘニー・シュリハト氏が、SBUのイッリャ・ヴィチュク・サイバーセキュリティ局局長の資産に関する調査番組を作成した際に、SBU職員がソロムヤンシキー地区の地域採用・社会支援センター職員に対して、同記者に対して召集令状を手交するよう指示を出した可能性があるとする情報を発表していた。
同発表を受け、SBUは組織内調査を行うと発表。
また、シルシキー・ウクライナ軍総司令官も、今回の発表に関連して、陸軍司令官に対して、組織内調査を行うよう指示を出していた。