欧州複数首脳、ウクライナでの平和維持作戦展開可能性を協議
17日、エストニア首都タリンに英国統合遠征軍(JEF)に参加する欧州複数の国の首脳が集まり、バルト海でのロシア船舶に対するコントロール強化やウクライナでの平和維持作戦展開の可能性について協議を行っている。
フィンランド国営放送「Yle」が報じた。
同会合でも、他の欧州首脳会合と同様に、ウクライナにおける平和維持作戦の可能性について議論が続けられているという。
ペフクル・エストニア国防相は、会合前に、「和平実現の前であっても、いかなる選択肢も排除できないということを明確にしておかねばならない」と発言した。
そしてペフクル氏は、西側はウクライナが北大西洋条約機構(NATO)に加盟するまでの間、平和を保証する上でウクライナを支援すべきだと発言した。
エストニア軍のメリロ司令官は会合前に、あり得る交渉の開始の時にウクライナができるだけ強くなるように、同国に武器が提供されねばならないと発言した。
ストゥブ・フィンランド大統領もまた、現時点では平和はなく、ウクライナには何よりもまず武器が必要だとの見方を示した。
また、ストゥブ氏は、平和維持作戦の可能性には直接のコメントをしなかったものの、他方で、情勢を先取りしないように警告した。同氏は、平和維持作戦の遂行には国連の権限が必要だと強調した。
ロシアへのメッセージを問われると、ストゥブ氏は、「軍を撤退させよ」と簡潔に答えたという
。
会合に参加するバルト諸国、北欧諸国、英国はまた、バルト海におけるハイブリッド攻撃も懸念しているという。16日、JEF参加国は、制裁を迂回してロシアの原材料を運んでいる「影の船団」との戦いを始めることを決定。例えば、英仏海峡、デンマーク海峡、フィンランド海峡を通行する船舶の代表者に質問を行い、保険加入の証明を求めるという。要請に応じない船舶への対応は、諸国が共同で評価するという。
JEFとは、10か国が防衛分野の協力のために参加するグループ。参加しているのは、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、エストニア、英国。
写真:valitsus.ee/Arno Mikkor, Rain Kooli / Yle