ゼレンシキー宇大統領、欧米にウクライナの防空強化を要請 「ロシアはさらに攻撃してくる」
ウクライナのゼレンシキー大統領は17日、ロシアは準備が出来次第、さらなるミサイル攻撃を仕掛けてくるだろうとし、ワシントン北大西洋条約機構(NATO)首脳会議の際の合意をはじめ、防空システム供与に関するすでにある合意の完全な実現が必要だと発言した。
ゼレンシキー大統領が英国統合遠征軍(JEF)首脳会議に向けたオンラインスピーチの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「先週金曜の未明、ロシア人は私たちのエネルギーインフラに対して大規模なミサイル攻撃を行った。彼らは攻撃するために寒気の到来を待っていた。その攻撃には、94弾のミサイルと約200機の攻撃型無人機が用いられた。幸いなことに、私たちは自衛に成功した。しかし、私たちは知っている。現在は一時停止に過ぎないこと、ロシアは準備が出来次第新たな攻撃を試みることを。彼らは常にそうしてきたのだ。だからこそ、私たちは空のテロからの防護の信頼のできる保証が必要なのであり、それは防空システムの十分な数の存在を意味するのだ」と発言した。
同氏は同文脈で、ウクライナにはワシントンNATO首脳会議に至った合意をはじめ、防空システム供与に関する合意の完全な実現が必要だと指摘した。
そして同氏は、「私たちは、ウクライナをNATOに招待することが不可能なことの補償として、かなりの数の防空システム(編集注:の供与)が約束されたのを覚えている。私は、それを実行するための、あなた方の支援をお願いする。率直なところ、私たちのパートナーたちは、ロシアのミサイル攻撃から私たちの国を完全に守るためには、それら(編集注:すでに供与が約束されているもの)以外に、さらに12〜15のシステムが私たちに必要なことを知っている。それは現実的だ。大切なのは、私たちのパートナーたちの政治的意志だ。私は、具体的に米国と欧州に今呼びかけている」と発言した。
なお、JEFとは、10か国が防衛分野の協力のために参加するグループ。参加しているのは、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ラトビア、リトアニア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、エストニア、英国。
17日、エストニア首都タリンに英国統合遠征軍(JEF)に参加する欧州複数の国の首脳が集まり、バルト海でのロシア船舶に対するコントロール強化やウクライナでの平和維持作戦展開の可能性について協議を行っていた。
写真:大統領府