ゼレンシキー宇大統領、ロシア軍のザポリッジャ原発からの撤退の必要性強調
ウクライナのゼレンシキー大統領は11日、ロシア連邦軍が同日ザポリッジャ原子力発電所を再び砲撃したことを受け、同軍を原発から追い出すことの必要性を国際社会に訴えた。
ゼレンシキー宇大統領が同日夜の動画メッセージの際に発言した。
ゼレンシキー氏は、「ザポリッジャ原発周辺で現在起きていることは、テロ国家の最大級の犯罪の1つである。今日、原発敷地内の原発施設からすぐ近くへのロシアの砲弾のさらなる飛来が確認された。ロシアは世界テロ史における底を更に更新した。世界中を脅迫したり、何らかの条件を突きつけるために原発を利用した者はかつていなかった」と強調した。
同氏はさらに、ロシア侵略軍をザポリッジャ原発から追い出すために、世界中の全ての人が行動すべきだとし、「それはグローバルな利益であって、ウクライナだけが必要としていることではない」と主張した。
同氏は、「私たちは、国連安保理から国家間コンタクトまで、あらゆるレベルで本件を強調している。ロシア人のザポリッジャ原発敷地からの完全撤退とウクライナによる原発周辺の状況の完全コントロールの回復のみが、欧州全体の原発安全の回復を保証するのだ」と強調した。
これに先立ち、11日、ロシア軍が欧州最大の原発となる「ザポリッジャ原子力発電所」を再び砲撃した。5発の砲弾が溶接所と放射線源保管所近くに着弾。さらに5発が、原発近くに位置する消防署敷地に着弾した。第1原子炉近くにも着弾があったという。
写真:大統領府