ゼレンシキー宇大統領、グロッシーIAEA事務局長と会談

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ウクライナのゼレンシキー大統領は30日、グロッシー国際原子力機関(IAEA)と会談し、IAEA調査団からはザポリッジャ原発の現状分析だけではなく、原発周辺と敷地内の非軍事化要件の分析も期待していると発言した。

ゼレンシキー大統領がグロッシー事務局長との会談時に発言した。大統領府が会談冒頭の動画を公開した。

ゼレンシキー氏は、IAEA調査団のウクライナへの到着につき謝意を伝え、ロシア軍によるウクライナのザポリッジャ原発の占領によって爆発、原子炉の活動停止、原子炉停電のリスクが高くなっていると指摘した。同氏はまた、ウクライナ国民の暖房シーズンに関連したリスクや様々な原子力関連のリスクによる世界的な脅威について伝えた。

さらにゼレンシキー氏は、ウクライナ側はグロッシー氏率いるIAEA調査団がウクライナの特殊機関と安全回廊のおかげでザポリッジャ原発に到達ができ、あらゆる世界規模の脅威を回避するために最大限の活動ができることを望んでいると発言した。

写真:大統領府

また同氏は、「私たちはあなた方の専門家を信頼している。(中略)私たちは、調査だけを望んでいるのではない。というのも、調査は戦術的な行為だが、戦略的な決定もあるのだ。私たちにとって、重要なのは、IAEAと国連の側からの緊急の要件、欧州と世界の首脳全員が支持する原発の緊急の非軍事化要件、ロシア連邦のあらゆる軍人とあらゆる武器の撤退、私たちの原発の解放、ザポリッジャ原発(敷地)内部と周辺の非軍事化圏の組織、原発のウクライナへのコントロール移譲である」と発言した。

そして同氏は、そうすることによってのみ、原子力関連のあらゆるリスクを取り除くことが可能となるのだと発言した。

これに先立ち、30日、グロッシー事務局長率いるIAEA調査団がキーウへ到着したことが伝えられていた。同調査団は、今後調査のためにザポリッジャ原子力発電所へ向かう。

ザポリッジャ原子力発電所は、欧州で最大の原発であり、3月4日にウクライナを侵略するロシア軍に制圧された。以降、ロシア軍は、同原発敷地内に軍事機材や弾薬を配備し、敷地から近隣のウクライナ政府管理地域を攻撃したり、ウクライナ軍の攻撃に見せかけて原発敷地を攻撃したりしている。

G7外相は8月10日、ロシア連邦に対して、ザポリッジャ原子力発電所の完全な管理を直ちにウクライナに戻すことを要求する声明を発出している。