国際司法裁判所でウクライナ対ロシアのジェノサイド容疑口頭弁論再開 露は裁判権の不在を主張
25日、ハーグの国際司法裁判所(ICJ)にて、「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」(通称「ジェノサイド条約」)に基づいたジェノサイド容疑に関連して、ウクライナがロシアの軍事行動停止などを求めて起こした訴訟の口頭弁論が再開された(3日目)。ロシア代表はICJには裁判権がないと改めて主張した。
ウクルインフォルムのハーグ特派員が伝えた。
口頭弁論では、アレクサンドル・シュリギン駐オランダ・ロシア大使がロシアを代表して発言した。シュリギン氏は、「ロシアは、ICJに対して、ウクライナがロシアに対して、本件審理の一環で提出したいかなる要求も審理する裁判権がないことを発表し、それが受け入れられないことを認めるよう求める」と発言した。
また同氏は、ウクライナ側が主張している行為は、ジェノサイド条約に署名した国の義務の違反とみなすことはできないとした上で、「ICJの他の決定はいかなるものであれ、各国が条約の真の権利や義務を参照することを不可能としてしまい、条約を誤用や乱用といった様々な解釈の道具として利用されてしまい、それは様々な問題を適切に審理できない土壌を作りかねない」と主張した。
さらに同氏は、32か国が本裁判に加わったことにつき、「単にウクライナの立場を繰り返しているだけだ」としつつ、それは「ウクライナが自分の法的主張を信じておらず、裁判所に対するその前例のない集団的圧力の試みに実質的に期待していることを示している」と主張した。
なお、18日、ハーグの国際司法裁判所(ICJ)にて、「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約」(通称「ジェノサイド条約」)に基づいたジェノサイド容疑に関する、口頭弁論2日目が始まっていた。ロシア代表はICJに裁判権がないと主張、ウクライナ代表はICJに裁判権があると主張している。