「クリミアは領土だけではなく、人も占領から取り戻さなければならない」=宇クリミア問題大統領代表

ウクライナのタシェヴァ・クリミア自治共和国ウクライナ大統領常駐代表は14日、ロシアによるクリミアの一時的占領から取り戻さなければならないのは、領土だけではなく、人もであるとし、ロシアからの領土解放に全世界を関与させることの重要性を訴えた。

タシェヴァ大統領代表が同日キーウで始まった会議「クリミア・グローバル 南を通じたウクライナ理解」の際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。

タシェヴァ代表は、「クリミアは領土だけではなく、人も占領から取り戻さなければならない。だからこそ、私たちは全世界に対して語り、全世界をウクライナ解放に関与させねばならないのだ」と発言した。

同氏はまた、自身はクリミア出身者だから、すでに約10年クリミアを訪れることができておらず、また、恐怖の中で暮らさざるを得ない人々のことも、状況に耐えられなくなりクリミアから脱出した人たちのことも理解していると指摘した。

そして同氏は、「私にとってそれは特別な痛みだ。その痛みをよりよく理解するには、外国に旅行することはできても、家には帰ることができない状態を想像してみると良い。10年間だ」と発言した。

同氏は、「まさにそのために、私たちは、クリミアを含むウクライナ領全ての解放が必要だと話しているのであり、全世界に対してその願望においてウクライナを支えるよう呼びかけているのだ」と伝えた。

同会議でスピーチを行ったクリミア・タタール民族指導者のジェミレフ氏は、ロシアはウクライナ領を12万3000平方キロメートル以上占領していることを喚起した上で、それはオーストリアとベルギーの領土とほぼ同じだと指摘した。

同氏は、「多くの国が、侵略者を止めなければ、平和は訪れないということを理解している」と発言した。

さらに同氏は、今日の会議の際に国際機関代表者は全面戦争の真実を聞き、ロシアのプロパガンダを信じることがなくなることを期待していると伝えた。

なお、国際会議「クリミア・グローバル 南を通じたウクライナ理解」は、2023年10月14〜16日の3日間開催される。同会議には、国際機関代表者や、アジア、アフリカ、南アメリカ、中近東の記者・研究者が出席している。会議の目的は、ロシアが拡散するプロパガンダではない、ウクライナやクリミアの出来事に関する情報を伝え、ウクライナの平和と正義をいち早く確立するための共同プロジェクトやイニシアティブにつき合意することだという。