トルドー加首相、ウクライナが「1インチでも領土を失った場合」の世界について説明

カナダのトルドー首相は25日、ウクライナがロシアの侵略によって領土を少しでも失った場合、現在のルールに基づいた国際秩序全体を危機に晒すことになると指摘した。

トルドー首相が北大西洋条約機構(NATO)議員総会で発言した。

トルドー首相は、「もしロシアが違法な侵攻によってウクライナ領土を1インチでも奪った場合、世界中の国々は自らの歴史的領土係争に目をやり、自分たちには隣国よりも少し大きな軍があるかもしれないことに注意を向け、もしかしたら、地図のラインを変えて、国連憲章に違反する時かもしれないと考えるだろう。ロシアがルールに基づいた国際秩序を不安定化させて実行したようにだ」と発言した。

そして同氏は、世界の過去数十年の繁栄はルールの創出と、「冷戦時ですらもそれを維持するという私たちの同意」を通じて生じたものだと強調した。

加えて同氏は、「国際影響力の観点では、カナダは、私たち皆を守る上での、ルールに基づいた秩序の重要性を認識している中型の国家である。ロシアの違法侵攻は、地域の地図を変えようとしているだけでなく、あたかもより強いものが正しい、というはるか昔に忘れられた概念を世界に戻しているのだ」と指摘した。

その上で同氏は、多くのウクライナ人からなるコミュニティを抱えるカナダにとっては、ウクライナは特別な意味もあると補足し、「NATO加盟国の中で、私たちのウクライナとの近さは、前例のないものだ」と発言した。