ウクライナの冬季の停電は毎日4〜18時間続くおそれあり=国連監視団
ベル団長が外交団・国際機関の代表者に対しての報告書「エネルギーインフラへの攻撃:民間人への悪影響」のプレゼンテーションの際に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ベル氏は、同報告書はウクライナの電力生産と送電のシステムを破壊することを目的とした今年の攻撃に関するものだと発言した。
また同氏は、「3月から8月にかけて、ロシア連邦はウクライナの重要インフラ施設に対して9回にわたる攻撃を実施した。攻撃対象は、ウクライナの20の州とキーウのエネルギー施設であった。施設の中には、利用不可能となるまで繰り返し攻撃を受けたものもある。攻撃は包括的で、空、海、陸から発射されたミサイル、無人機・徘徊弾薬が使用されており、それが軍事調整水準の高さを示している」と伝えた。
さらに同氏は、ロシアの高官は、当該インフラ目標への攻撃を行ったことを公の場で認めていると補足した。
加えて同氏は、攻撃目標に関して、2022年〜2023年冬季の攻撃と今年の攻撃の間のいくつかの重要な違いがあるとし、以前のロシアの攻撃は何よりも送電施設を対象としていたが、2024年は発電能力を破壊することに力点が置かれていたと指摘した。
そして同氏は、「2024年の攻撃の結果、2022〜2023年冬季と比べて、火力発電所の発電ユニットが3倍破損した。火力発電所の73%が稼働を停止した。水力発電所とダムへの攻撃もまた、2024年にはそれまでの3倍となった」と報告した。
監視団は、9州の25の火力発電・コジェネレーション施設、5州の7つの水力発電所、1州の2つの再生可能エネルギー施設、2州の2つの火力発電所の計36の電力施設への攻撃を記録したという。
ベル氏はまた、ウクライナの中央集中型インフラシステムは、相互に接続されているため、発電施設が攻撃を受けると、送電網の電力量が減少し、それによりドミノ効果が生じ、多くの分野に被害が及ぶと指摘した。
その上で同氏は、「今冬、ウクライナ国民は、停電が4〜18時間続くことを予期しておく必要がある」と発言した。