ウクライナ政府と日本経団連、協力拡大のメモランダムに署名
ウクライナ経済省広報室が伝えた。
訪日して同会合に出席したスヴィリデンコ第一副首相兼経済相と経団連の國分文也ウクライナ部会長がウクライナの戦後復興支援のための協力継続・拡大と二国間協力拡大をうたったメモランダムに署名した。
スヴィリデンコ第一副首相は、「民間部門こそが、ウクライナの経済発展と復興のエンジンとならねばならない。そのため、私たちの優先課題の中には、経団連とそのメンバーとのさらなる協力が含まれている。とりわけ、私たちは、日本商業界に対して、ウクライナ企業との共同企業の設立、技術と生産の現地化、ビジネス代表部の開設、ウクライナへの高度技術産業機材やその部品の供給を提案した。同時に、日本政府に対しては、破壊された生産企業やインフラの復旧支援の提供を要請した」と発言した。
同氏はまた、日本の企業はウクライナ市場に積極的に参入しており、政府機関は自らの代表部を開設していると伝え、現在ウクライナには40社以上の日本企業が活動していると補足した。
発表によれば、経団連の代表者たちは、ウクライナが実施している改革における進展に言及した上で、政府・民間パートナーシップの形態によるものをはじめとする、ウクライナの復興促進の準備があることを確認したという。
会議では、ウクライナ側・日本側双方は、ウクライナで日本企業が直面している課題の解決を促すことで合意した。
今回の合同会議には、約100社の日本企業と20社以上のウクライナ企業が参加。エネルギー、金融、農業、自動車製造、運輸、建設の分野の企業が参加したという。
また同日、経団連は、締結された「第9回日本ウクライナ経済合同会議メモランダム」を公開した。
メモランダムによれば、会議では、ロシアによる侵略により多大な被害を受けたウクライナに対する日本の官民による復興支援の重要性が改めて強調されるとともに、経団連はウクライナが進める構造改革を歓迎したという。
また、合同会議では、ウクライナが欧州連合(EU)加盟に向けて進めている構造改革やビジネス環境整備の現状について報告されたとあり、ウクライナにおける緊急ニーズ対応や持続可能な成長に貢献する日本企業の取り組み事例が紹介されたという。
さらに、経団連は、民間企業によるウクライナ復興事業への参画を推進する上で、金融へのアクセス、戦時下の事業リスクの軽減、安定的な労働力供給、事業パートナーの確保、渡航制限の見直しなどの重要性を訴えたと書かれている。
その他、日本の外務省と経産省はそれぞれ、同会議に藤井比早之外務副大臣、古賀友一郎経済産業副大臣が出席したと発表している。