ゼレンシキー宇大統領、プーチンと会談したフィツォ・スロバキア首相を批判
ゼレンシキー大統領がXアカウントに書き込んだ。
ゼレンシキー氏は、モスクワでのフィツォ氏とプーチン氏の会談後、両者は共同声明も出さず、報道機関の質問にも答えなかったと指摘した。これにつき同氏は、両者は社会の反応を恐れており、会談で何を話し合ったのか公の場で述べることができないのだろうとの見方を示した。
さらに同氏は、「ロシアはフィツォ氏のためにかなりの値下げを提示しているが、しかし、払うのはスロバキアだ。そのような値下げは無料ではなく、そのために彼らはロシアに対して、主権ないしは影のスキームで支払いを行なっているのだ。それはスロバキアの法執行機関や情報機関が関心を持つべきことである」と発言した。
また同氏は、そのような資金拠出の詳細はブリュッセルでの最近の欧州首脳の会合で明らかにされたと述べ、「首脳たちは、フィツォ氏がエネルギー面の独立に向けた欧州の共同作業への参加やロシアの天然ガスの代わりの模索を望んでおらず、むしろ反対に、ロシアが米国のガスや欧州からの他のパートナーたちのエネルギー資源を追い出すのを手助けしたがっている。それはつまり、彼はプーチンが戦争への資金拠出のための金稼ぎと欧州弱体化を支援したがっているということである。私たちは、プーチンが始めた戦争によって人を失っているのであり、私たちは、そのようなプーチンへの支援は非倫理的だと思っている」と強調した。
また同氏は、フィツォ氏は移行期間を緩和し、依存からの脱却を手助けする補償金さえ拒否したとし、つまりフィツォ氏にとって「それが安全保障の問題ではない」ということだと指摘した。
その上で同氏は、「彼(編集注:フィツォ氏)は1年間5億米ドルのロシアのガスにこそ関心があるのだ。他にもウクライナ領内を通る石油パイプラインから年間5億ドルの収入があり、それがフィツォ氏を助けている。つまり、彼の重要な目的は、ロシアとビジネスを行うことであり、それこそが彼にとって利益があるのだ。それは、実際のところは、スロバキアにとっても、欧州全体にとっても大きな安全保障の問題である。どうしてその首脳は、モスクワにそれほどまでに依存しているのだろうか? 彼に何が支払われ、彼は何で返済しているのだろうか?」と強調した。
これに先立ち、フィツォ・スロバキア首相は12月22日、モスクワを訪問し、プーチン氏と会談していた。フィツォ氏は、自身の訪問は、ウクライナが自国領を通じたロシアの天然ガスの欧州への供給継続を拒否していることへの対応だと主張していた。
今年、ウクライナの「ナフトガス・ウクライナ」社とロシアの「ガスプロム」社の間で締結されていたウクライナ領を通じたロシアの天然ガスの通行契約が終了する。
シュミハリ宇首相は、2025年1月1日に終了するウクライナとロシアの間の天然ガス輸送の契約は、継続されないと発言していた。
ゼレンシキー大統領は、ウクライナはロシア産の天然ガスでなければ、欧州の国々に対して天然ガスを輸送する準備があると発言している。
写真:EU