仏独の「クラスター案」は東部情勢解決ロードマップの基本となり得る=大統領府長官
イェルマーク大統領府長官がニュースサイト「リーガ」へのインタビュー時に発言した。
イェルマーク氏は、「協議が困難なことから、フランスとドイツは、『クラスター』という形を提案した。それは、地雷除去、(兵力)引き離し、重火器撤収から始まる治安の最初の行動から始まり、地方選挙実施まで続く、論理的に並べられた行動のことである。もし当事者たちがクラスターを受け入れたら、それは日付、期限とともにロードマップへと変貌し得るものだ」と発言した。
同氏は、ドイツとフランスが提案したクラスターと当事者たちによる異なるアプローチの模索は、関係者の間に物事を進めようという願望があることを示していると発言した。同氏は、「もちろん、もっと活発に進み、戦争が終われば良いと思うことはある。しかし、私たちが2年前に加わった協議(編集注:ミンスク協議とノルマンディ協議)は、その時点ですでに袋小路に入っていたのだ」と発言した。
同氏はまた、ゼレンシキー大統領や協議に参加するウクライナ側代表者たちは、前政権の担当者たちよりも優位な点があるとし、「私たちは、心から平和達成を望んでいるし、領土と人々を本当に取り戻したいと思っている。私たちは、商業関係も義務にも一切縛られていない。私たちにあるのは、純粋な考えと願いだ。私たちには、国益より上に来るものは何もない。そこが私たちの立場の強さである」と発言した。
その他同氏は、ロシアがウクライナとの国境に軍を集結させていたことの理由を聞かれると、「私は、それは力の誇示、政治的決定への影響力行使の試みなのだと思っている」との考えを示した。
なお16日、ゼレンシキー大統領は、パリでのマクロン仏大統領とメルケル独首相との会談後、クラスター案とはフランスとドイツが作成したものであり、ウクライナとロシアが自らの案を加えたものであり、ミンスク書合意の段階的履行のことであると発言していた。大統領は、これらクラスター案につきノルマンディ4国首脳補佐官が協議を行うと述べていた。
これに先立ち、3月24日、ロシアの「コメルサント」が、ドイツとフランスが作成した「ミンスク諸合意実現のための重要クラスター」案と、それに対するウクライナとロシアによる、両国の情勢解決の見方を反映した提案に関する記事を公開していた。
これに対して、ウクライナの三者コンタクト・グループ(TCG)情報政策補佐官であるオレクシー・アレストヴィチ氏は、ミンスク諸合意履行実現のための重要クラスターに関する協議プロセス文書の中身は、現在TCGで議論されているものであり、仏独と欧州安全保障協力機構(OSCE)の要請により、署名の瞬間までは公開されないと述べていた。
写真:大統領府