露企業のガスパイプライン「オパール」独占ならず EU裁判所、ドイツの控訴を棄却
ウクルインフォルム
欧州連合(EU)司法裁判所(CJEU)は15日、欧州委員会による露ガスプロム社にドイツ国内陸上を走るガスパイプライン「オパール(OPAL)」(海上のガスパイプライン「ノルド・ストリーム」の延長パイプライン)への独占的アクセスを与える決定を無効化する2019年の判決に対する、ドイツの控訴要求を棄却した。
同裁判所が関連判決を下した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
裁判所は、今回の判決につき、EUのエネルギー政策に該当するEU関連機構のエネルギー政策に関する文書はいかなるものであれ、コミュニティに属する国家の「エネルギー連帯(energy solidarity)」の原則を考慮した上で評価しなければならないと説明した。これに対して、ドイツは、自らの控訴主張の際に、「エネルギー連帯」とは、政治的な概念であり、司法的な概念ではないと主張していた。
今回の事件番号はC-848/19 P「ドイツ対ポーランド」。
これに先立ち、2016年10月、欧州委員会は、ガスプロム社とその傘下企業に対して、OPALの100%利用を許可する決定を下していた。しかし、同年12月、ポーランド政府が欧州裁判所に対して、この欧州委員会の決定を提訴。同政府は、ガスプロム社に中欧諸国へのガス供給の独占的立場を与える同決定の無効化を要求していた。その後、リトアニアとラトビアがポーランド政府の訴訟に賛同。一方で、欧州委員会の立場は、ドイツ政府が支持していた。
2019年、CJEUは、ポーランド政府の訴訟内容を認め、ガスパイプライン「OPAL」のロシアのガスプロム社による実質的独占使用を可能とする欧州委員会の決定を無効化していた。