ウクライナが成功すればプーチン主義は終焉を迎える=米外交官
フリード氏が、ウクライナ国営ロシア語テレビ局「家」へのインタビュー時に発言した。
フリード氏は、「ロシアは今より良くなることができるか? それは可能だろうか? 私は、可能だと思っている。しかし、それは何らかの不可避のものというわけではない。現在ウクライナでは多くの人が、ロシアは決して変わらないと思っているし、それに同意するアメリカ人も多い。しかし、私は、ロシアも良くなり得ると思っている」と発言した。
同氏は、ウクライナが民主的で自由なままであり続ければ、ウクライナの隣人であるロシア人もまた自国で自由を主張し出すだろうと指摘した。同氏は、「それこそがプーチンがウクライナの民主主義と法の支配を恐れる理由だ。もしロシア人が民主的で法治国家で成功したウクライナを目にしたら、それはプーチン主義の終わりとなるだろう。もしウクライナがポーランドのような成功した国となれば、ロシア人はどうするだろうか? 私は、彼らが『どうして私たちはああではないのだろうか?』と疑問を抱くと思うのだ」と発言した。
その上で同氏は、ロシアの民主化の問題は抽象的なものではないとし、「それは全く現実的な問題だ。私は、ウクライナが成功すれば、民主的ロシアを築くチャンスが大きくなると思っている。そして、私は、それが不可能だとは思っていない。困難ではあろうが…。私は、ロシアの人々は民主主義を実現できると思っている。ただ最近、彼らは民主主義にほとんど触れられていないが」と指摘した。
記者が、プーチンが政権を去ったら、統治形態としてのプーチン主義は消えるだろうかと尋ねると、フリード氏は、間違いなくロシアに一定の変化は起こるだろうと返答し、「私たちがソ連とロシアの歴史から知っていることは、ロシアでは首脳陣が変わる度に、毎回潜在的な危機が生じている、ということだ。ターニングポイント、とでも言えるだろう。スターリンからフルシチョフへの政権交代、フルシチョフからブレジネフ、ブレジネフからその後のプーチンまでの政権交代を思い出してほしい。毎回激しい変化が生じていた。ある時には、良い影響が起きたが、ある時にはあまり良くない影響も生じた。それが意味するところは、制度としてのプーチン主義は、プーチン後も必ず続くわけではないということだ。その後、どうなるか、私が知っているか? 否、私は知らない。私は、変化に確信を持っているか? 否、持っていない。しかし、歴史は、プーチン後に全てが大きく変化する可能性があることは示しているのだ」と強調した。