ウクライナ国会、米国のNATO外同盟地位を要請する決議を採択せず 政府の批判受け
ウクルインフォルム
ウクライナ最高会議(国会)は8日、米議会に対して、北大西洋条約機構(NATO)外での同国の主要同盟国の地位をウクライナに付与することを要請する呼びかけ決議案(第5380)を採択しなかった。
賛成したのは最高会議議員24名で、採択に必要な226名に達しなかった。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
同決議案本文には、ウクライナを国際安全保障のグレーゾーンに置き、ロシア連邦による現行の国際安全保障関連文書に違反させ続けることは、欧州・世界にとっての脅威となると指摘されていた。
その上で、オーストラリア、ニュージーランド、日本、韓国、アフガニスタン、イスラエルとの間で確立されている、NATO非加盟国との間の二国間ベースのNATO外主要同盟国の地位を喚起しつつ、ウクライナ国境付近のロシア軍の集結、クリミアの占領継続、ウクライナ東部でのロシアによる挑発といった、安全保障状況の悪化に鑑み、ウクライナにも同同盟国の地位を付与することを求める内容であった。
同決議の提案者は、野党会派「欧州連帯党」のオレクシー・ホンチャレンコ議員。
同決議案に対しては、クレーバ外相やマカロヴァ駐米ウクライナ大使が批判していた。
クレーバ外相は、ウクライナはNATO内で米国の主要同盟国となるのであり、NATO外ではないとし、ウクライナはNATO加盟を目指していることを強調していた。
マルカロヴァ大使は、NATO外主要同盟国の地位は、NATO加盟を計画していない、あるいは政治的・地政学的理由でNATOに加盟できない国のための地位であり、ウクライナにとってのものではないと指摘していた。