偽装動画「ウクライナの民族主義団体が放射線爆弾を自作」をウクライナの研究所が否定
4日、戦略コミュニケーション・情報セキュリティ・センターがフェイスブック・アカウントにて発表した。
センターは、「ロシア情報機関と提携しているテレグラムチャンネルにて、あたかもロシア連邦領での戦闘行為開始後に使われるとされた、自作の放射線爆弾なるものの情報が拡散されている。この情報は、動画とともに広められている。しかし、動画を見ると、動画製作者の不注意が目立つ。ウクライナ語で書かれた説明文には、大量の文法上の間違いがある」として、一つ一つ、ウクライナ語の文法上の誤りを挙げ、「これら全てが、物語を作った人物のロシアの出自とウクライナ語の知識の低さを示すものだ」とコメントした。
さらに、センターは、本物の国民軍団党は、自分たちの動画に別の政党のロゴを右上ではなく左上につけるし、ロゴの色も構成もフェイク動画のものとは違うと説明した。
また、センターは、国民軍団党もそのような動画は作成していないとコメントしていると伝えた。
発表には、拡散スキームが興味深いと指摘されている。最初に投稿されたのは、被占領下クリミア発のテレグラム・チャンネル「ポリトナビガトル」で、しかも投稿は2021年12月10日に行われたものだったとし、現在その投稿は「改善」された上で、「ホルリウカの自警団」「DPRのジョーカー」「プラウダ・ニュース」などのロシアのテレグラムチャンネルに拡散されているという。
センターは、「私たちの前にロシア情報機関とクリミア・ドンバスの協力者による情報・心理作戦が継続していることは明白だ」とコメントした。
これに先立ち、2月4日、ロシアのテレグラム・チャンネルにて、ウクライナの「国民軍団党」があたかも「放射線爆弾」を作っているとする偽装動画の拡散が始まった。動画には、同党のロゴが使われていた。投稿では、国民軍団党がこの爆弾を「侵攻の際にロシア軍部隊に対して使用する計画」があると主張されていた。
国民軍団党は、ロシアのメディアが拡散するこの動画を「病んだファンタジー」だとコメントしている。