ウクライナ大統領はドンバスの特別地位法案と地方選挙法案を協議対象とすると約束した=ショルツ独首相
ショルツ独首相がキーウ(キエフ)訪問時、ゼレンシキー宇大統領との会談後共同記者会見時に発言した。ウクルインフォルムの記者が伝えた。
ショルツ氏は、ドイツはフランスとともに、ノルマンディ・フォーマットでの努力を強化しており、その結果、すでにパリとベルリンにて首脳補佐官級会合が開かれたことを喚起した。同氏はまた、その協議が継続されることが重要だと指摘した。
同氏は、「間違いなく、それは困難なプロセスだ。しかし、私は、どのような努力も価値があると確信している。ゼレンシキー大統領と私は、ノルマンディ・フォーマットと米露欧州安全保障協力機構(OSCE)協議は、ロシアとの対話にとって重要なフォーマットだとの意見で一致している。(ゼレンシキー)大統領は、私に対して、ウクライナは協議のために、(CADLR)特別地位法案と(CADLR)地方選挙法案を協議のために出すと明言した」と発言した。
同氏はまた、それら法案は、ウクライナ東部の武力紛争解決の「協議プロセスに複数の障害がある」現在の状況を脱出するために不可欠なものであると発言した。
同氏は、今日のゼレンシキー大統領との協議は非常に価値があったとし、両者は多くの詳細について話し合うことができたと指摘した。
なお、最高会議(国会)は2021年12月15日、「ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の地方自治の特別規定法」(通称ドンバス特別地位法)第1条の効力を2021年12月31日にまで延長していた。
現行の「ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の地方自治の特別地位法」は、2014年9月に採択され、同年10月18日に3年間の時限法として発効したものであり、同法の効力は、最高会議がこれまで繰り返し延長している。
なお、2014年9月5日付「ミンスク議定書」第9条は、「ウクライナ法『ドネツィク・ルハンシク両州一部地域(編集注:CADLR)の地方自治の暫定手続』(特別地位法)に従った繰り上げ地方選挙の実施の確保」を定めている。また、2015年2月12日付「ミンスク両合意履行のための方策パッケージ」第11条には、「(ドネツィク・ルハンシク両州一部地域の代表者とともに調整された、これら地域の特殊性を考慮した上で)重要な要素としての非中央集権化を定める新憲法を2015年末までに発効させるとともに、ウクライナにおける憲法開会区を実施する他、注釈に記された方策に従い、2015年末までに、CADLRの特別な地位についての恒常法を採択する」と書かれている。また同第12条には、「ウクライナ法『CADLRの地方自治の暫定手続』に基づき、地方選挙に関する諸問題は、三者コンタクト・グループ(TCG)の枠内で、ドネツィク・ルハンシク両州一部地域代表者との間で協議され、合意される。選挙は、欧州安全保障協力機構(OSCE)民主的機構・人権事務所(ODIHR)による監視の下で、OSCEの然るべき基準を遵守して実施される」と書かれている。
写真:大統領府