米・EU、新たな対露制裁発表 バイデン氏、露による「侵攻の始まりだ」と指摘
米国は、同日、バイデン大統領が記者会見時に制裁発動を発表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
バイデン氏は、「今日、私は、ロシアの昨日の行動への返答として同国に深刻な代償を払わせるべく、第一制裁セットを発表する」と発言した。
また、バイデン氏は、「共和国の承認」の決定を装って、ウクライナ領の一部を奪ったのだと指摘し、それはロシアのウクライナへの侵攻の始まりだと指摘した。
同氏は、今回の制裁は、国営のヴネシュエコノム銀行とプロムスヴャズ銀行の2行が対象になる他、ロシア国債の借り換えにも制約を課すと伝えた。
さらに同氏は、今後、ロシアのトップビジネスマンとその家族にも対個人制裁を発動すると発言した。
同氏は、今回の制裁は同盟国・パートナー国と緊密に調整して行われているものだと強調し、また「私たちは、ロシアの更なるエスカレーションが生じる場合には、制裁を強化していく」と発言した。
EUは、ボレル上級代表がパリでのEU非公式外相会合後に発表した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
ボレル氏は、「この制裁パッケージは、加盟国が満場一致で採択したもので、ロシアにダメージを与える非常に痛みを伴うものだ。私たちは、パートナー国、米国、英国、カナダとの緊密な調整のもとそれを行っている。その国際法違反でウクライナの領土一体性・主権侵害に賛成した351名の露国家院議員が制裁リストに加えられる。私たちは、ウクライナの領土一体性と主権と独立を弱体化させる、あるいは脅威をもたらす役割を担った、27名の人物と団体に対しても制裁を発動することに同意した」と伝えた。また同氏は、制裁は、政治、軍事、ビジネス、メディアの分野にまたがると説明した。
さらに、同氏は、EUとドネツィク・ルハンシク両州被占領地の間の経済関係も対象になるとし、それはクリミアの企業・団体に対して発動されている制裁と同じものだと説明した。加えて、ロシアの国家機関も欧州の資本市場・金融市場・サービス市場へのアクセスが制限されると発表した。
これに先立ち、21日、プーチン露大統領は、ウクライナ東部の武装集団「DPR」「LPR」支配地域の国家としての独立と主権を承認し、また同地にロシア軍を展開することを決定していた。