グテーレス国連事務総長、露による武装集団地域「独立」承認につき「領土一体性と主権の侵害」
グテーレス国連事務総長がウクライナ情勢に関する呼びかけの際に発言した。ウクルインフォルムの特派員が伝えた。
グテーレス氏は、「国連憲章の原則は、アラカルトメニューではない。それらは、選択して適用してはならない。全ての加盟国がそれを採択したのであり、全てが適用されねばならない」と発言した。
同氏はまた、ロシアが「平和維持」のコンセプトを歪めて用いていることにも懸念を表明した。同氏は、「私は、国連平和維持軍の成果を誇っている。そこでは、多くの青ヘルメットが自らの命を捧げ、民間人を守ってきた。しかし、一国の軍が他国の領土にその国の同意を得ずに入ったら、それは公平な平和維持部隊ではない。そもそもそれは、平和維持部隊では全くない」と強調した。
記者からの質問に対して答える形で、グテーレス氏は、ロシアがウクライナに対して用いている「ジェノサイド」という非難を否定した。
さらに同氏は、ロシアによるドネツィク・ルハンシク両州一部地域(CADLR)の「独立」承認の決定は、ウクライナの領土一体性と主権の侵害であると強調し、そのような一方的な方策は国連憲章の原則に真っ向から反するものだと発言した。
同氏はまた、そのロシアの行動は「安保理が支持したミンスク諸合意への深刻なダメージ」とも発言した。
同氏は、「私たちには速やかな緊張緩和が必要だ」とし、対話と協議へ戻ることが不可欠だと強調しつつ、そうでなければ、現在の危機はウクライナにとってもロシアにとっても、「凄惨な破壊」となるだろうと警告した。
「はっきり申し上げます。ロシア連邦によるドネツクおよびルガンスクのある地域のいわゆる"独立"の承認決定は、ウクライナの領土保全ならびに主権に対する侵害です。」@antonioguterres 国連事務総長、記者団に語る。 https://t.co/h3J1jItFr4
— 国連広報センター (@UNIC_Tokyo) February 23, 2022