日本外務省、ウクライナの首都呼称「キーウ」へ変更=公式
外務省公式ウェブサイトにて発表された。
発表には、ロシアによる侵略を受け、日本政府はウクライナへの支援や一層の連帯を示すための行動について幅広く検討をしてきたと指摘しつつ、その際「ウクライナの首都の呼称をロシア語からウクライナ語に変更してはどうかとの指摘が各方面から」寄せられたと書かれている。
その上で、外務省は、適切な呼称についてウクライナ政府の意向について照会を行っていたところ、今般、ウクライナ側からも回答が得られたことから、ウクライナの首都の呼称をロシア語による読み方に基づく「キエフ」からウクライナ語による読み方に基づく「キーウ」に変更することとしたと発表した。
また首都以外の地名についても、ウクライナ語による読み方に基づく呼称に変更するとのこと。
その他外務省は、「ロシアによる侵略は、明らかにウクライナの主権及び領土の一体性を侵害し、武力の行使を禁ずる国際法の深刻な違反であり、国連憲章の重大な違反」であると強調した上で、日本は引き続き、ウクライナとウクライナ国民に寄り添い、事態の改善に向けてG7をはじめとする国際社会と連携して取り組んでいくと伝えた。
なお、3月31日時点で、日本外務省の「ウクライナ基礎データ」のページでは、「オデッサ」は「オデーサ」に、「チェルノブイリ」は「チョルノービリ」に、「キエフ大公国」は「キーウ・ルーシ」に呼称が変更されている。
これに先立ち、2018年10月、ウクライナ外務省が、「KyivNotKiev」(キーウはキエフではない)と題するキャンペーンを開始し、キーウをはじめとする、ウクライナの主要都市名を、ソ連時代のロシア語からの表記ではなく現在公式に採用されているウクライナ語からの表記を使うよう、諸外国メディア等に勧告していた。
2019年6月には、アメリカ合衆国の地名慣例の決定・管理を行う機関「アメリカ地名委員会」が、ウクライナの首都キーウの表記をそれまでのKievからKyivと変更する決定を採択した。
英語報道機関では、これまでにAssociated Press、ワシントンポスト紙、ウォール・ストリート・ジャーナル紙、ニューヨークタイムズ紙などがKyivを使う決定を下している他、欧州の多くの空港にて、Kyivとの表記が使われている。日本語報道機関では、ウクルインフォルム通信、BBC、日本ニュースネットワーク(NNN)が「キーウ」を使用している。
なお、2019年9月4日に日本で開催された「ウクライナの地名のカタカナ表記に関する有識者会議」では、首都名について従来の「キエフ」と並び、「キーウ」などの併用を可能とする見解が示されていた。
※追記(13:37):外務省ウェブサイト上のその他の地名変更(オデーサ、チョルノービリ)について記述を追加しました。